バッテリーがっ!

2004年7月18日
◆今日は主人の実家に顔を出す予定でした

大体、8時半時くらいに家を出て(仮面ライダをーを観てからですよ、お約束で・笑)お昼くらいに到着。一緒に外食をしてからスーパーに行き、夕飯やら何やらの買い物をして帰ります。
6時くらいに夕飯を一緒に食べて、家に帰り着くのは10時くらいです。

義父はもう10年も前に亡くなっていますが、74才になる義母は矍鑠(かくしゃく)とした方です。主人にはお兄さんが一人いますが義母と同居はせず、近くにマンションを借りています。バツイチでお子さんはいません。

唯一の孫が、我が家のチビ達です。しかしあたしは婿取りなので、外孫になります。その事で何か言われた事は一度もありませんが、やはり寂しい思いをされているでしょう。だから月に一度は必ず顔を出すようにしています。いつもあたしから言い出さないと、主人は行きたがりません。中学を出てすぐに自衛隊の高校に入り、結婚が決まるまで実家に顔を出した事はめったになかったそうです。

初めの頃は義母といる時、間が持たなそうにしていて、あたしが義母と散歩したり買い物したりしてると、いつの間にかいなくなっていました。チビ達が生まれてから、変わりましたけどね(笑

ずっと元気でいて欲しいです。でも何かあったら、きちんと世話してあげたい。あたしは義母が好きです。

あたしのおばあちゃんは64歳の時に膝を痛めて、寝たきりになって嫁の世話になるのは厭だと首を吊りました。
あたしにとっては優しいおばあちゃんで、おばあちゃん子のあたしは当時お嫁さんを憎んだりしたけれど、社会に出て色々な友人と付き合い、その中の一人から聞いた話が考えを変えさせてくれました。
「私のお母さんは、おばあちゃんに虐められていつも泣いていた。だから私はおばあちゃんが大嫌いだった」
ああ、そうか。そうだよね……。
お嫁さんとおばあちゃんとの間の確執を知らずに、一方的に誰かを憎んじゃいけないんだろうね。

それでも憎み、ねたみ、そねみ、蔑み、理性が崩壊していくんだね。誰かを手に掛けたり自分から命を絶つ前に、助けてあげられなくて後悔している人がいると信じたい。

今朝になって出かける準備をしていたら
「ママァ〜やばい!! バッテリーがあがって車動かないよ!!」
あのねぇ〜、昨日一日ゴロゴロしてたくせに、ちゃんと動くか確かめておかんかいっ!
とっとと、バッテリー交換してこいっ!!

お出かけは明日になりそうです……(とほほ)
木曜日の朝、いつも通りに園バスを見送り「お先です」と挨拶をして部屋に戻ろうとした。
すると後ろからSさんが追いかけてきた。
「挨拶しなくていいと言ってるでしょう? お先にも何も言わなくていいから。みんなが無視してるの、嫌われてるのが解らない?」
返事を返す気にもならない。困ったような顔で会釈をし、走って帰った。

身体が震えるのは恐怖からか?悔しさからか?
恐怖だなどと、思いたくない。
悔しさと怒りで震えてるんだ。
だから泣くものかと思った。
涙を堪えるために、唇を噛んだ。
噛み切るほど噛んだのは初めてだ。

3時間ほど膝を抱えていた。
次第に落ち着きを取り戻し、自分でも驚くほど平静な気持ちになった。
そして行動に出た。
その日はたまたま個人面談日だったので、先生に事情を話してバス停を変更して貰うようにお願いした。
担任の先生は、園長に相談しますと言ってくれて夕方すぐに、了解の連絡がきた。

バス通園連絡網の事まで気が回らなかったのに、園長代理の先生が心配して下さり「SさんともNさんとも繋がらない連絡コースに変更したから安心して良いですよ」と電話をくれた。
以前から耳に入っていたという、幼稚園の対応は早かった。

有り難うございました。
手間やご迷惑をお掛けしました。
でももう、彼等に関わりを持たなくて良いと思うと、気持ちが楽になりました。
心配してくれた先生、友人、お友達のお母さん。
感謝の気持ちで一杯です。
もう大丈夫です。

◆みんなって、誰よ?
Sさんはみんなと言いましたが、一緒のバス停のNさんやKさんは会釈は返してくれていた。あたしの挨拶に過剰反応していたのはSさんだけ。逃げ出すまでやり込めないと気が済まない性格なのかしら?それにしても、小学生並みの台詞。

◆連絡網
気が回らなかったのに、○谷先生有り難うございました。「大丈夫ですよ、お楽になれると思います」と言って下さいました。変更のプリントも、元々バランスが悪かった物を修正して全員に配るつもりだったから気に病む必要はないと……。
ありがとうございました。

◆唇が痛い
噛み切って、紫に腫れた唇にビールが滲みます(笑
でもこれも貴重な経験でした。
相手には別に何も感じません。自己保身の手段が行動として出たのならば、弱いのは相手の方だと思うから。
あたしの足は、ちゃんと地面についている。
あたしは立ち直る事が出来る。
あたしは負けない。
一人じゃないと、再認識出来て嬉しかった。
どんな経験だってプラスにしてみせる。
家族って、友達って、有難い。
嬉しくて泣くのは、構わないよね?

◆旦那ってば
ケーキを買ってきてくれた。
あたしの大好きなモンブラン!
「ペンタブ買っても良いよ」だってさ
あはは、ありがとう。
ペンタブで遊びだしたら小説がまた滞るからさ、それはまだいいよ。それより欲しがってたドライブ買ってきたら?

◆新潟の大雨で
何人かの友人が心配して電話をくれた。
実家の方に被害はなかったけど、覚えててくれて近況も知りたかったと言われて嬉しかった。
たくさん愚痴ってたくさん応援して貰った。
新潟で被害にあった方には心からお見舞い申し上げます。
不謹慎で申し訳ない気も致しますが、あたしもお見舞いをいただきました。浦和に住んでいた時にお母さんみたいに慕っていたIさん、本当に有り難う。頭をナデナデして貰ったみたいだった。

◆二晩ほど眠れなかった
ようやくゆっくり寝られそう。
ああっ、「叢雲」書かなきゃ。今週はアップが出来なくてゴメンナサイ!来週からがんばります!!
好きなコトして寝られないのは別だものね(笑

◆秘密日記
心配してくれて有り難うございました。
レス、後で書きますね。もうすぐチビが帰ってくる時間です。

ごめんなさい

2004年7月15日
「叢雲」アップ出来ません
元気が底を突きました
ちょっとだけ
休みます
多分、来週には復活します
◆いつも元気な「かざと」です(笑

まったく……牛乳配達のお兄さんにまで言われました。
「いつも走っていて、にこにこ明るくて、元気そうですね」
朝見かければ必ずにっこり笑って
「おはようございます」
と言うよ、あたりまえじゃん。

この地区担当の「くろねこ」さん。
若くて可愛いお兄さんです。
たびたび再配達を頼みますが、とても明るい元気な笑顔で
「ありがとうございました」
と言います。
ふて腐れて一日過ごしていても、嬉しくて元気になる。

あたしは笑うのが好き
声を出して、笑う。
自分が元気になるから。
自分を元気にしたいから。

ええ、ええ、たまには愚痴りますけどね(笑

◆学校の体験学習で「茶道」体験をしてきた

やった〜! 取材だ取材だ、それも無料だよ!!
学校万歳!!
美味しいお茶とお菓子をいただきました
あれこれ先生に質問もしてきました
ネタも膨らましてきました(おい!)

和服の優樹君が、朱羅さんと向かい合ってお茶をいただく図なんか意外性があっていいなぁ〜
やはり体験してみないと解らない事は多いし、良い経験でした

やはりミーハーな「かざと」は
やりたい事がイッパイです!

◆シグザウエルが、ほしいよ〜

ショーケースで見てから、夢にまで出てくる
まるで、ライダーベルトを欲しがるP助状態です
でもなぁ〜
ボーナスでおねだりしても、買ってくれないだろうなぁ〜
しくしくしくしく……。

◆今日、夜に盆踊り大会です

これで取り敢えず、今週の用事はお終い。やっと明日から小説が書ける……あっ! 明日からP助は半日だった。それに個人面談があるじゃん……。
明日「むらくも」アップ出来るかな?
◆たまには過ごしてみた……

う〜ん、どうも気が急いていけないなぁ。
書きたいお話が「叢雲」と「キャリアの刑事が年下のノンキャリに罠に掛けられて墜ちる事を期待されたのに最後まで抵抗する話」と「平次X新一・大学生バージョン/組織との対決でニューヨーク編」の三本に手をつけてます。

しかし今日は「のべ〜っ」としてました(苦笑

「元気な奥さんだね」と言われるよ
「いつも真面目」で
「一所懸命」
「明るくて」
それから?

たまには、日向で腹を出して昼寝する犬になりたいんだ
でも性格なのかな?
出来ないんだ、気が急いて

洗濯干してると、飛行機雲みて涙が出るんだよ
バカだな、ばかだね、おおバカだ。

落ち込んでるのは自分のせい
愚痴るまいと決めてたはずが、
つい味方のママに愚痴ってしまった
卑しいよ、自分の根性
同じコトしてるじゃないか
聖人君子にはなれっこないけど
厭で厭でたまらなくなった

強いなんて言わないでくれよ
醜い自分は腐臭まみれなんだ

腐りたくないんだよ
◆いい加減にしなさい!と、自分に突っ込んでみたり?

娘が絵画コンクールで賞を取ったので、表彰式に朝から出かけました。一応晴れていますが、西の空には黒い雲。雷が鳴り出しました。
表彰式が終わり、「航空公園」が近かったので子供を遊ばせる事にしたのですが、ますます雷が近づいています。
やがて雨も当たりだしました。
それでもビールを飲んでいるあたしと旦那(笑

雨が本格的に降り出してきたので、お昼少し過ぎたくらいに引き上げて、子供と旦那はお昼ご飯にマックを買いました。
あたしはマックが大嫌いなので、近くのパン屋さんでカレーパンを買いました。

何だか忙しい週でした。
今週も忙しそうだなぁ……。

◆朝番は

どれも中弛みぎみですね。「ブレイド」はニューキャラが出てきてちょっと嬉しい。
しかし「天然でいい人」が平成ライダーの主人公タイプですが、
剣崎君はちょっとなぁ……。他のキャラのサイドストーリーを書くのは良いけど、主人公を蔑ろにしがちで「555」も「ブレイド」も失敗してる気がします。後でつじつま合わせはもう止めて欲しいですね。

ああ、そうだ
「ガッシュ」には泣かされました。
サンビームさん最高です(笑

◆ライカXネット小説

書きたいのは山々ですが、あたしの範疇は15才以上です。ポリシーを曲げるわけにはいかないので、書きません。
検索かけてきてくれる人、ゴメンナサイね(笑
そう言えば、「キャプ翼」でも「ヤオイ」を書く時は15才以上の設定だった……。

◆金曜日の朝、ゴミ捨て場でSさんに会ったから「おはようございます」と言った。
「挨拶しなくていいから、こっちも挨拶しないから」
と言われた。
「解りました」と答えながら
(×××××!)と心の中で毒づく。
あ〜の〜ねぇ〜、あたしがあんたに何したってのよ!
挨拶も出来ないってどういう事よ?
問いつめたくてウズウズするけど我慢我慢。
マケルモンカ!
◆と、申しましても、あたしの場合は(笑

今日は地域の子供会で「子供御輿」があがりました。
神社に8時30分集合です。
あっ! 愛しの「ロックマン」が観られないジャナイ!!
当然ビデオに撮ろうと思いましたが、なんと!もう一つ同じ時間に観たい番組があります。
「バフィー・ザ・バンパイアスレイヤー」と「エンジェル」です。
FOXチャンネルで、あたしにしては珍しいくらい欠かさず見てきた海外ドラマです。「Xーファイル」でさえ途中で投げたというのにです。
実は最終シーズンが7月から始まる事を知っていたのですが、すっかり第一話の放映日を忘れていました。
CSは必ず何度も再放送をしてくれるのですが、忙しさからチェックも忘れていて、今日の7時から9時が最後の再放送チャンスでした。
「ロックマン」には、大好きなライカ君とサーチマンが出ます。
でも、「バフィー」も外せません。
ビデオは一台しかありません。
うわ〜ん、どうしよう!!

結局「バフィー」をセットして、ダッシュで娘を神社に送り、「ロックマン」の後半だけを観ました。
「ロックマン」の方が、ビデオになるのが早いだろうと思ったし……。
ライカ君、今日は一段と可愛かったです。
ますます、ネット君とラブですよ!
負けるなエンザン君!!(笑

◆御神輿

大好きです! お祭り好きだし。
七夕もしましたよ〜。
所沢は余り盛大にやらないようなので、笹を捜すのにお花屋さんを何軒も回りました。
近所の藪からちょきんと切るわけにもいかないですからねぇ。成田なら、それも出来ましたが……(苦笑
本当は、お手伝いをしたかったくらいだけど、あまり出しゃばるわけにもいかず残念でした。

★引き裂かれた絆

再開を目の当たりに見て、彼等がどれだけお互いを支えにしてきたか、心の拠り所にしてきたか、胸の痛くなる想いが伝わってきた。
どうか、どうか、幸せに暮らせますように
心の平穏がおとずれますように
願わずにいられません

話の通じない隣人は、国という権威をかざして正義という名の暴力を平然と行う。
歪んだ理屈を押し通す事は、もう無理なのだと気付き始めているのでしょうか?
全てを捨てなくても良い、ゆっくりとでも歩み寄る姿勢を示して欲しい。
まず出来る事から一つずつ……。

◆不在者投票に

これから行ってきま〜す!
◆おはようございます(^O^)
最近の朝ご飯が、前日に娘が食べ残してきたパンだったりする「かざと」ですが(笑

娘が言うには
「最近暑いから食欲がない」とか。
まあ、学校は冷房もなく暑いですからねぇ……って、昨日の夕ご飯、ママの分までジンギスカン食べたじゃないかっ!嘘つきめ!!
旦那の自衛隊時代の友人が送ってくれる「松尾のジンギスカン」、ゆうに250グラムは食べてるぞ?尚かつご飯をお代わりして納豆かけてるし。
ちなみに娘の体格は、小学校2年にしては大きいですが標準の範囲です。肥満率も低い。
息子もよく食べます。
ああ、身上(家計)が潰れる……。やはり仕事を探さなきゃ(T_T)

◆バトミントン

ボロ負けでしたが、楽しかったです。
やはり、ご近所以外の付き合いがあるのは良いなぁと実感。汗をかいて、一緒にお昼を食べて、大笑いして帰ってきました。
ある意味、娘にも学校以外の場所があればいいと思う。例えばそれが、塾や習い事の場でも良い。
転勤のおかげで、色々なところに仲の良かった友達がいる事も良い事だと思う。
世界は一つじゃない、愛と友情を持って貴女を受け入れてくれるところがあると、胸を張って言えるんだよ。

まだ筋肉痛が来ないなぁ。
年を取ると、2・3日後に来るのだ(>_
◆あたし的には、成長した3人がとても素敵でした。

運命に翻弄された1作目
運命を受け入れた2作目
運命に立ち向かう3作目

そんな見方で楽しんで参りました。
ダニエル君オトコっぽーい!!シニカルな微笑みが、何て似合うようになったのかしら。あの口元が萌えです。
やはり同じ子で撮り続けると、成長が解って良いですね。是非全作品を一人の子で撮り終わって欲しい物です。

美味しいネタをいただいたので、自分の小説にも活かすつもり。
どの当たりが心臓にぐぐっと来たかは、すぐに解っちゃうと思いますが(笑
まあ、「我聞君」や、他の少年マンガで外せないところの「偉大なる父親」ですよね。少年マンガには必ず出てきます。
「師匠」「父親」「外れちゃったお兄さん」「越えられないお兄ちゃん」
ツボ! ツボですまさに!!
あっ!また「ボライソー」が読みたくなった。

◆今日はこれから、親睦バトミントンです。
暑いなぁ……。
ダイエットだと思っていってくるかぁ……(泣
◆今日は「小学校・家庭教育学級」の打ち合わせです。

あたしのチームは、「傘のリサイクル講習」をします。壊れた傘の布を引っぱがし、防水性に長けた帽子や買い物バック、子供のカッパなどを制作するのです。
講習会は9月に行いますが、夏休み前でないと打ち合わせや準備が間に合わないので今日やる事になりました。めんどくさ……嘘、嘘、楽しみです(汗

いや、今日でなけりゃ問題なかったのよ。
今日は妹が昼過ぎに遊びに来て、夕方娘の合気道の練習を一緒に見学して、明日は「ハリポタ」を観に行く予定になっている。
普段と違う予定が複数はいると、つい面倒になるからいかんなぁ(笑

水曜日は映画に行って
翌、木曜日は「親睦バトミントン大会」
土曜日は子供御輿で
日曜日は絵画コンクールの表彰式

……
……

早く夏休みにならないかな〜

◆そんなわけで(どんなわけ?)

小説が書けないんだ、それが悲しい。
結局そう言う事でした(苦笑

◆今日はお客

妹だけど(笑
ミートローフとジャ−マンポテト、サラダを作ってビールだな。
[第40回のあらすじ]
◇アキラとのやり取りの末、日下部は取り敢えず引き下がった。誰もが事態を理解できずにいたその時、轟木の発言に遼は驚かずにいられなかった。

:::::::::::::::::::::::::::::
<本文>

 黙したまま優樹の手当をしていた冬也は、一通り済むと大きく息をついた。服の上からは見えない随所におびただしい内出血の跡があり、考えていたよりも多くのダメージが与えられていた事が遼にも解る。
「よくこれで、桟橋から歩いて来られたものだ。骨に異常はないが、内臓にかなりきてるはずだぞ……。まあ、若い時は色々と無茶をするものだが、私が付いていて起きた事となると田村氏に申し訳が立たないよ」
「……すみません」
 冬也には隠さず経緯を話したが、やはり警察沙汰は避ける判断をしてくれた。消え入りそうな声で詫びた優樹は、俯けた顔を上げようとはしない。
「田村氏には電話でよく説明しておくよ。生来頑丈なお前の事だから明日には動けるようになるだろうが、大事を取って残りの日程二日は安静にしていろ。熱が出たらすぐに言え、その時は病院に放り込んでやる」
 穏やかな口調に込められた怒りが、優樹の無茶に対してなのか日下部に対してなのか判断つきかねたが、冬也はそれ以上何も言わずに救急箱を片付けると優樹に一瞥を投げ部屋を出て行った。
「悪いが、遥斗と宙も席を外してくれ」
 アキラに言われて異論を唱えようとした遥斗の背中を、佐野が押すようにしてドアの外に出す。アキラが遼の使っているベッドに腰掛けると、戻ってきた佐野もその隣に座った。轟木は窓際で腕を組み遼を見つめている。ライティングデスクの椅子を引き、遼は優樹が横になっているベッドサイドに座った。
「秋本の能力は知っているが……」
 言い掛けてアキラは轟木に目を向けたが、無表情なその顔に暗黙の了解を読み取ったようだった。もしや轟木は、誰も知らない何かを知っているのだろうか? 不思議な気持ちで遼は轟木を見つめ返した。
「篠宮に冷静さを失わせた邪気か……。例の噂、湖の怪事件が関係しているのかも知れないなぁ。おまえが湖で倒れたのは気味悪いモノを見たからだと、ゆうべ篠宮から聞いてはいたが……」
「あれっ、俺は聞いてないぜ? なんだ寝不足のせいじゃなかったのか……轟木もいる事だし俺たちにも話してくれよ、厭なら別にいいけど……」
 アキラを押しのけるように佐野が身を乗り出した。本棟で遼が日下部と口論した時にも居合わせており、全てに関わるのは当然といった顔をしている。
「大丈夫です、実は……」
 紅く波立つ湖の底に黒いタールのような蟲の塊が蠢き、その中から白い骨の浮かび上がる様を遼は語った。しかし白い獣を見た事と、美月が関係しているかも知れない事実は伏せておいた。遼が話し終えると、腕を組んだアキラが佐野の前に立つ。
「そもそも俺たちがここに来る事になった経緯は、『美月荘』にキャンセルが出て冬也さんが安く泊めてくれると言ったからだ。キャンセルが出た理由……冬也さんが気にならなければと前もって念を押した時、誰も反対はしなかった」
 杏子に口止めし、鳥羽山が意味ありげに言った良くない噂……。
「『人喰い湖』の噂、秋本のヴィジョンが裏付ける事になったようだな……それにこの騒ぎだ」
「素材として、面白そうだと言ったのは須刈だぜ? っと、俺も賛成したけどさ」
 体裁悪そうに佐野が苦笑すると、アキラが肩をすくめた。
「ここ数年の間に『秋月湖』で四人の死体が上がり、それら全てが見るも無惨な姿をしていた事から『秋月湖』は『人喰い湖』の噂を立てられるようになった。そのために観光客は減り、犠牲者が立て続けに出た近くの小さな村は、住民が気味悪がって廃村になってしまった。冬也さんの話を聞いた時点では、そんな曰く付きの場所が興味深くもあったし、はたから信じちゃいない妖怪やら化け物やら噂の真相を確かめたくもあったが……考えを改めるべきかなぁ。秋本の見た蟲の塊とやらが、例の伝説の妖怪『魄王丸』なんだろうか?」
「それは違います」
 確信を持って、きっぱりと言い切った遼にアキラは意外そうな顔をした。
「えっと……じゃあ何だ?」
「人喰いの嫌疑、『魄王丸』に掛けられてはかなわんな。あれは『蜻蛉鬼』が仕業、秋本遼は既に気付いているはずだ」
 低く静かな声が、しかし明確な響きとして耳に聞こえた。
「轟木……先輩」
 遼が目を向けた先で、轟木彪留が意味ありげに微笑む。
「邪気に満ちた篠宮優樹の肉体が、あの時血に汚されずに済んだのはお前のおかげだな。間に合わないかと思ったが、感謝せねばなるまい。危うく手遅れになるところだった」
「何を……言ってるんですか? 手遅れって、優樹がいったい……」
「あの強い『気』を持つ男、日下部との戦いで解っただろう? 篠宮の身中に在る破壊の衝動、そして底知れぬ力を。もしもお前が止めていなければ、篠宮の手は血で汚され、邪気は精神までも侵していた。そうなれば既に人にあらず、猛り狂う一体の……」
「一体の……?」
 ごくりと、遼は息を飲んだ。自分はその答えを知っている。しかし、喉元まで出かけた言葉を発する事が出来い。心中を察するかのように、轟木が目を細めた。

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◆轟木君は、何を知るのでしょう? そして優樹君の力の源は何か? 遼君は優樹君を守れるのかしら(笑

◆ウンチクを練り込むために次回は来週アップです。
木曜日(7月15日)の予定。
まあ〜たいしたウンチクじゃないのですが、なるべく納得のいくお話にするために努力しています。

◆資料本を読み込んでいる間、時間が止まればいいのに。
でも納得いくまで勉強してたら多分続きは書けない。在る程度は思い込みと読者の想像力に頼ります(苦笑

◆さて勘のいい人は、轟木君の正体がわかるはず(笑

★ご意見ご感想はこちらの掲示板にどうぞ!
「一部」改訂版もご覧になれます。
「MURAKUMO」
http://mypage.odn.ne.jp/home/kazatoyou

◆hotmail:youkazato@hotmail.com
でも、お気軽に。MSNメッセアドにもなっています。
◆あたしの守り本尊は「文殊菩薩」

だから、書きたい気持ちが枯れないのかな?
書きたいネタが山ほどあって、もっともっと時間が欲しい。もっともっと勉強したい。今まで時間を無駄にしてきたのかな?そんな事はないよね、きっと何かを積み重ねてきた。
まだ人生半分もいかない、死ぬまで何かを綴っていたい。
無駄な時間なんか、ないんだよ。

◆やらねばなるまい、漢度チェック(笑


あなたの漢度は
118

あなたはもう少しで漢になれるでしょう. あなたには後少しだけ漢として足りないものがあります. それを満たすことが出来れば, 一人前の漢になれるでしょう.


うーん、何が足らないのかな?
っていうまえに、あたし女じゃん。
がっかり……。
◆土曜日に航空公園で遊びました

お昼少し前に出て「航空公園駅」駅前のスーパーでお弁当とビールを買い、木陰にシートを敷いてのんびり。
旦那が子供と戦ってます(笑
バトミントンをしたり、ボールを蹴り合ったり、あたしも旦那とバトミントンをしました。結構本気でやって、疲れた〜〜。
子供が川遊びを始めたので、旦那の背中に寄りかかってポール・オースターの小説を読んでいるうちに、うとうとと寝てしまいました。

晴天だったけど、風が涼しかった。
ラベンダーの花壇から良い香りがしてくる。
ミツバチが忙しそうに働いていた。

低空でC130が飛んでいる。
何だか手を振りたくなる気分だった。
(振ったけどね・笑)

◆ロックマン、最高!

今回は見事にウッドマンに押し倒されてましたね。その時の表情がもう、最高です。可愛いなぁ、ロックマン。ウッドマンとのソウルユニゾンは今ひとつでしたが、まあいいや。
敵に「身体で払って貰おう」と言われるシーンで爆笑。ロックマンは、台詞が楽しいんだよ。毎回メモ帳片手に観ています。
「あ〜この台詞使ってみたい!」
そう思いながらね(笑

来週はライカ君とサーチマンが出るわ〜〜!!
楽しみ楽しみ、うふふふふ。

◆「メジャー」がアニメ化されるとか

今更ですか?
ファンとしては、複雑です。だって今まで密かに応援していたゴロー君とトシ君の遠距離恋愛が、コミケとかでテニプリのように扱われるかも知れないから。(解る人だけ笑ってね)
厭だなぁ……。
生来ひねくれ者なので、みんなが乗り出すと離れます。
やはりこれからは「我聞」君だな。

★「我聞」くん!

「こわしや我聞」面白かったです!
最近少年誌では、女性のマンガ家さんも多く活躍しているようですが、やはり男の子は男の人が書くに勝るもの無しです。
勢いがあるんです、滅茶苦茶な理屈で突っ走るところが良いのです。熱い想いがあるんです、細かい事は後回しなんです。

そして営業部長が美味しい!
腐女子の血が騒ぎます。
色々な想像を掻き立てられます。
お父様はどんな人だったのでしょうか?
悪役にも美形登場です。

女性の描く男の子は、スマートすぎるんですよね。
つまらないです、ワクワクしない。
あたしの描く男の子も、ちょっとスマートすぎるんですが(汗
もっと破天荒な主人公が書きたいな。
天然で、熱血で、バカで、正義感が強い男の子。

「俺の兄貴」はそういう話にするつもり。
ちょっと先になるけど考える前に行動する主人公、そうじゃないとね(笑

◆「デカレン」と「グランセイザー」

ストーリーにオリジナリティを求めるつもりはないけど。せめて「グランセイザー」は何とかしなさい。
心を持つキラーロボット、古すぎです。尚かつまだ、ロギア出すつもりですか?制作者、もう投げてるんじゃないかしら。
折角今までになく大人っぽい作りで始めたのに、所詮おもちゃやキャラグッズが売れないから路線変更にならざるを得ないということ?
「デカレン」はこれでオッケー、言う事無し(笑
◆P助とは、うちの下の子です(^_^;)ゞ

バスで幼稚園に通っていますが、朝は乗るのに最近帰りはお迎えが良いという。
「なんで?」
と聞いても、何も言わない。
女の子なら結構ぺらぺらしゃべるのよ、幼稚園の子でも。でもP助は誰かの事を言いつけたりしない寡黙な性格なのだ。それでも、何日かお迎えが続いたある日。
「Y君が、蹴ったり叩いたりするから」
と白状。
ママにお迎えに来て貰うのが、ちょっと「悪いな」と思った気持ちが、原因を明かす理由になったらしい。
Y君か……。う〜〜ん、あたしの悩みの種Nさんに追従して絶縁宣言してきたSさんの子供です。
特にP助に乱暴なわけではなく、いわゆるやんちゃ君ですからあたしは気にしてない。お迎えだって苦にならない。ダイエットにもなるし、幼稚園で仲の良いママと話も出来るからかえってイイやと思ってた。そしたら先生が、察していました。
「バスで厭な事があるの?」
まあ、よくある話なので、席を変えてくれるという事で解決。
あたしはトラブルが厭だったから
「今ちょっと、お迎えして貰いたい気分らしいですよ〜」
と、誤魔化してたのですが。
そのあと、小学校のお母さんと「パトロール」がありました。(お母さん達が順番に下校コースを巡回するモノです)
今回一緒のお母さんは、以前あたしを励ましてくれたお母さんですが、怒られました。
「ちゃんと言わなきゃダメ!!」
そうだよね、自分が我慢すればと言う態度、子供のためにならない時もある。今回はたまたま周りが察して手を差し伸べてくれたけど、肝心な事は自分で解決しなくちゃね。

ほんの数日お迎えしただけなのに、心配して訪ねてきてくれたお母さんがいた。
嬉しかった。
◆あたしです(笑

またご近所ネタで愚痴を書いたら、字数の問題か一度に表示できるバイト数の問題か、入らなかった。
で、ワードパットに保存して後であげようと思って見直したら、馬鹿馬鹿しくなってやめたのさ。
そんなモンだよ所詮、そんなもの。あーでも腹が立つ!
ま、いっか。
[第39回のあらすじ]
◇危ういところで遼は優樹の暴走を止める事が出来た。しかし優樹自身さえ戸惑う暴力の発露、このまま優樹は己の衝動に飲み込まれてしまうのだろうか。

:::::::::::::::::::::::::::::
<本文>

 切迫した呼び声に遼が目を向けると、遊歩道を駆けてくるアキラと轟木、佐野の姿があった。少し離れて遥斗と宙もこちらに向かっている。
「アキラ先輩……」
 苦渋の表情の遼と、只ならぬ様子の優樹にアキラは顔を曇らせた。
「雲もないのに、雷が落ちたような音がした。すぐに轟木が、篠宮が危ないと言って駆けだしたから後を追ってきたんだ……。説明してくれませんか日下部さん、場合によっては警察を呼びますよ」
 日下部は、気を失っている鳥羽山を担ぎ上げてニヤリと笑った。
「警察は、有難くないな……。ここはお互い、不問に付した方が良いのではないかな? どう見ても篠宮君はやりすぎたと思うし、学生の身で暴力沙汰が表立てば困るのはそちらの方でしょう?」
 返す言葉を失い、アキラは苦虫を噛み潰したような顔になった。が、
「……いいでしょう、この場はお互い不問に付しますが金輪際我々に近付かないで頂きたい。私は千葉県警に神崎という友人がいますが、これ以上事を起こすようでしたら我々の都合の良いように取り計らってもらう事も出来ます」
 そう言い放ち日下部を睨み返す。
「神崎?」
「機動隊上がりの屈強な大男で、正義感の強い叩き上げの刑事です」
 くっと、日下部は咽を鳴らした。
「それは敵わない……承知した、君等には近付かないし鳥羽山はすぐに病院に行かせてそのまま家に帰そう。だからその刑事さんは勘弁してくれたまえ……さっさと自分で歩かないか鳥羽山、行くぞ!」
 渇を入れられ我に返った鳥羽山の、ふらつく足下を支えて日下部はその場を後にする。
「あの……私のせいでこんな事に……」
 困惑の表情を浮かべ、美月が湖の水で濡らしたハンカチを差し出した。遼は視線を合わせずに受け取ると、ハンカチを優樹の手に添える。
「美月さんは本棟の仕事に戻って下さい……お願いします」
 躊躇うように美月は遼からアキラ達へと視線を移したが、目を伏せ「わかったわ」と答え立ち去った。その姿が見えなくなった事を確認し、遼は美月のハンカチを外し自分のハンカチで優樹の手を縛る。
「悪いけど杏子ちゃん、これ美月さんに返しておいてくれないか? それから冬也さんを捜して僕等のコテージまで連れてきて欲しいんだ、優樹の手当をしなくちゃならない」
「……うん、わかった!」
 鼻をすすりあげ涙の跡を手の甲で拭って、杏子は力強く頷き急いで本棟に向かう。膝の間に頭を埋め、身動ぎもしない優樹をそのままに遼はアキラに向き直った。
「いつもの……優樹じゃなかった」
 遼から経緯を聞かされたアキラは、眉根を寄せ悔恨の表情を浮かべた。
「篠宮は力を使い誤らないと信じていた。合気道を教えた事が仇になったな……俺の責任だ」
「アキラ先輩のせいじゃない」
「おまえは、正体のわからない邪気が働きかけて篠宮の精神をねじ曲げてしまったと言うが……それは一体何だ? 何か知っているなら話してくれ」
「それは……」
 遼は顔を俯けた。何を何処まで話せばいいのだろう? 日下部の言葉そのままに、いつかこうなる事を予感していた。優樹を守るために、自分は見えないものを見る力を与えられたのではないのか? そのための力ではなかったのか? 手遅れなのか……一度破壊の衝動に飲み込まれてしまった優樹は、もう元には戻らないのだろうか?
「秋本遼、お前が知りうる全てを話した方が身のためだ。ただし、その男の手当が先だな……拳だけではなく随所に傷を負っている。一人で歩けるか? 篠宮優樹」
 隣に屈み込んだ轟木に、遼は意想外の目を向けた。普段この様な物言いをした事はなく、眼鏡の奥の瞳が何かを了解しているように見える。そう言えば、アキラ達は轟木に連れて来られたと言った。大気が裂けた音、青白い炎が黒い霞と混じり合い優樹が殺意に支配された空気。轟木には解ったのだろうか? しかしなぜ?
 優樹がゆっくりと立ち上がり、轟木に向かって小さく頷いた。
「とにかくコテージに戻ろう。話はそれからだ……いいな、秋本」
 頷いて遼は、アキラと轟木に両肩を支えられながら歩く優樹に続いた。佐野が力づけるように、肩を叩いた。

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◆ここまでをVOL5としてまとめます。起・承・転・決でいうところの「転・前半」まで来ました。

◆アキラ君のハッタリは、ちょっとしたサービスです。にやりとして貰えると嬉しいです(笑
神崎君、千葉県警でクシャミしてるかも知れませんね。

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★次回は火曜日(7/6)の予定です!!
◆思い付きで書いてるから、後で困る(笑

その場面になったところで、必要な資料を集めます。
計画性がないよね、フローチャート作って設定固めてから書き出せばいいのに、流れだけ決めて後はその場で考えている。
これで良いのかな?いつも悩む。

資料本探しをしなくちゃ成らない。
そろそろ主人公達の正体が明るみに出るから。
実は「風のサーガ」だったり「地獄の番犬」だったり、「神の使い」だったり、「白と黒の青年」だったり「ニュータイプ」だったり……。
大体決めてはいるけど、どうしようかな。(おい!)

ああ、青空が見えるのに帯のような黒い雲間から稲妻が走った。
強く、弱く、旋律を奏でる雨。
水と大気を司り、操る力が彼にはあるんだ。
今日の天気そのままに。
[第38回のあらすじ]
◇内なる暴力に支配され、戦おうとする優樹を遼は止めようとする。しかし、そこに現れた日下部に事態はなおも悪い方向へと動きつつあった。

:::::::::::::::::::::::::::::
<本文>

 日下部が顎で示した方に遼が目を向けると、優樹がゆっくりと立ち上がるところだった。その表情は敗北を認めず、剥き出しの敵意を込めて日下部を睨んでいる。
「もう止めるんだ、優樹! 君の敵う相手じゃない」
「その通り、落とし前は一発で済ませておいてやる。これ以上やると怪我じゃ終わらねぇぞ」
 だが優樹は、低い姿勢から日下部の懐に向かって跳躍した。日下部はバックステップで素早く後ろに下がり、繰り出された優樹の蹴りは空振りに終わる。その無防備になった左脇にステップインで滑り込むと左フックを狙って顔面に注意を逸らし、日下部は空いたみぞおちにボディアッパーをめり込ませた。
「ぐっ、はあっ!」
 仰け反って背から地面に叩き付けられ、優樹は血を吐いた。
「切り抜けてきた場数が違うんだよ、坊や。その根性は認めるが、俺にも忍耐の限度がある。いい加減にしねぇと、アバラの二・三本いただくぜっ!」
 脅しつけるような怒声に優樹は一瞬、顔を俯けた。諦めてくれたかと遼がほっとしたのも束の間、弾かれたように地を蹴り日下部の右脇に滑り込む。そして、かざした左腕で動きを抑え込み右手で顎に掌底を打ち据えた。虚を突かれ、多々良を踏んだ日下部のみぞおちに突き上げるように肘打ちを入れると、さすがの日下部も顔を歪めバランスを崩して倒れ込む。その肩を膝で押さえつけ優樹は高く手刀をかざした。突然、パシリと虚空に大気を裂くような音が走り抜ける。
 優樹は、日下部を殺すつもりなのだ。どす黒い霞が入り交じった、青白い炎のようなものが身体を取り巻き、瞳の奥に紅い光が揺らめいている。それを見て、遼の自我は怒りに飲み込まれそうになった。この状況が、全ての要因が、抗えない意思によって行われようとしている。許せなかった。これほど強い怒りを、感じた事は未だかつて無い。
「やめろっ優樹! 僕の声を聞くんだっ!」
 全霊を託し、遼は叫んだ。と、鋭く振り下ろされた手刀が、喉笛をえぐる紙一重のところでピタリと止まった。機を逃さず、日下部が素早く優樹の股間を蹴り上げる。
「……!」
 声にならない声を上げ、蹲った優樹の髪を掴み上げた日下部は左拳を振り上げた。が、思い留まりその手を下ろす。
「有難いお友達のおかげで、人殺しになり損なったな。それにしても……」
 気持ち青ざめた顔色で、日下部は服に付いた土埃を払った。
「いったい……このガキは何者だ? 認めたくはないが、この俺でさえ冷や汗をかいちまった。こいつは……下手すりゃ自分さえも破壊しかねないような底の知れねぇ暴力の衝動を抱え込んでいやがる。そいつと覚悟して向き合えば、どの世界でも通じる力を持てるだろうが、一歩使い方を間違えば……」
 頬を引きつらせ、日下部は優樹を見据えた。膝を突き、茫然自失の表情で宙を見つめる優樹は、既に殺意に支配されてはいなかった。
「俺は……何をした?」
 まるで幼い子供のように泣きそうな顔で、優樹は何度となく両拳を地面に叩き付けた。皮膚が裂け、血の滲む手を遼はそっと包み込むように握る。
「大丈夫だ、優樹……。大丈夫だから……」
 恐れていた事が現実となり、絶望に似た虚脱感が遼を包んだ。それは今まで抑え続け、決して表に出てはいけないものだった。向かい合う時が来たならば、遼が助けてやれるはずだった。しかし、こんな形で現れてしまうとは……。手をこまねいて見ていた事が仇になったのか? 後悔する前に、何とか出来たかも知れなかった。
「秋本、篠宮! 何があった!」
 切迫した呼び声に遼が目を向けると、遊歩道を駆けてくるアキラと轟木、佐野の姿があった。少し離れて遥斗と宙もこちらに向かっている。
「アキラ先輩……」
 苦渋の表情の遼と、只ならぬ様子の優樹にアキラは顔を曇らせた。

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◆暴力シーンを書くのは初めてですが、雰囲気は伝わってくれたでしょうか?もう少し長くても良かったかな……。
アニメや映画なら見せ場ですが、小説ではどの程度描けばいいかちょっと解らない。意見があったら聞かせて下さいね。

◆大事に至る前に止まって良かったですね、優樹君。まあ、お約束と言う事で(笑
少しはハラハラしてもらえたかな?書いてる方は楽しかったけど。
男の子が主人公だし、アクションは外せません。実は「叢雲」で一番強いのはアキラ君なんですよ。アキラ君のアクションも、機会があったら披露して欲しいところです。

◆これから先は、今までの伏線の解決になります。
40回を区切りにVOL5としてまとめますので、続けて読んで貰えると、解りやすいと思います(多分・苦笑)

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★次回は金曜日の予定!!(7/2)
◆ええっ?あたし天然ですか(笑

日曜日、夜遊びに行く直前に娘がパパに怒られました。何だかヤバイ雰囲気。出かけにくいなぁ……。
支度しながら、着ていくつもりのシャツに袖を通した途端
「びりっ!」
背中が破けました。
「ええっ?」
と後ろを見た途端、おもちゃ棚にぶつかり、上から積み木が頭の上に
「きん、こん、かん!」
旦那、笑いを堪えてます。
「遅れないように早く行けよ」
そう言ってくれました。
わざとじゃないんだよ、誓って。

先日も、妹と喧嘩したまま待ち合わせでした。
リブロで待ち合わせでしたが、まあ、気まずい空気です。
「あ、この本なんか良いかも」
と手にした途端、平積みの本で指を切りました。
「切っちゃった!血が出たよ〜、あっ、絆創膏無い〜」
大騒ぎしてたら、妹が笑いを堪えて絆創膏をくれました。
誓って、誓って、わざとじゃないんです。

でもこんな事が良くあります。
あたしの後ろで、誰かが助けてくれている気がする。
だからきっと、今が辛くたってなんとかなる。
偶然に見える手助けに感謝を忘れず、ちゃんと生きたいと思う。

断っておきますが太ったから破けた訳じゃないですよ、あたしのシャツ(笑
◆ちょっぴりお疲れモードです

土曜日なら終電に駆け込むまで飲んでるけど、昨日飲んだ友人は一人は成田まで帰らなくちゃならないし、もう一人は(妹だけど・笑)翌日仕事があるし、あたしも子供の学校があるしで21時には解散。
Kさん、無事に帰ったかな? わざわざ成田から遊びに来てくれるんだよね〜。いつもありがと、あたしが成田まで行けば良いんだけどさ(笑
あ、卒園生の会があったら行こうかな。

若い頃は(オイ!)平日明け方まで飲んでても、翌日仕事できた。やはり年齢感じちゃうな、無理できないもん。

ところで旦那様は、
アイロン掛けて、子供をお風呂に入れ、ご飯を食べさせ、あたしのために「アセロラC」を買って冷蔵庫に入れておいてくれました。いつもありがとう!(いつもなのか?スマン!!)
そして、あたしが出かけている時は夕飯でお酒を飲まない。帰ってきてから安心したように飲むんだよ。
どっかで、ひっくり返ってたら困るからかな?
終電無くしたら、迎えに来てくれるためかな?
聞いてみても、「べつに」としか言わない。
立川に住んでた時、終電で寝過ごして高尾までいって帰って来られなくなった事がある。あの時は随分心配させたっけ。
ははははは……(笑い事ではない)
幸せな奥さんをしてるよね、自分。

◆今日は無気力に過ごそうかな

眠いし……。
でも、昨日聞かせて貰った「叢雲」の感想と意見を取り入れたプロット考えたいな。せっかく二人とも、書き上げたところまで読んできて意見をくれたんだし。妹は赤ペンで直した原稿くれたし(T_T)
直さなきゃ……。
ボクシングの本買ったから、アクションシーンをもっと書きたいし。
「壊し屋我聞」と「ベビーフェイス」貸して貰ったから読みたいし。(妹が読めと勧めている)
これだけやってから、無気力になることにしよっと。
あっ、無気力診断だって?
双希さんの所で紹介してたからやってみる。

無気力度33

非常に精力的な性格ですね。このままさまざまな活動にエネルギッシュに取り組んでいってください。きっと明るい未来が待っていると思います。ちなみにあなたを動物にたとえると狼です。精力抜群です


……
……
……

ええっ?そんな馬鹿な??(笑

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