前代未聞です……。

 ニュース映像で波に押し流される家屋を見ながら、避難が終わっていることを祈るしかありませんでした。

 金曜日は午前中、とても良いお天気だったのに、昼過ぎから嫌な空模様になりました。出かけたくないな、でも妹に頼まれた貴重品を届けなくてはならないし……。
 本も頼まれてたけど、本屋に寄るのはやめて「新木場行き」に乗りました。

 三田線に乗り替えるため、有楽町線を日比谷で下車。
 ホームに降りた途端、耳を裂くようなブザー音。

「なんだろう? うるさいな」と思いながら上りエスカレータに向かった時、ぐるんと天井が回った。

「貧血かよ!」と焦って手摺りにつかまったら、周りの人達が悲鳴を上げながら階段やエスカレーターを駆け上っていく。

 貧血で目が回ったのじゃなくて、地下が震えていました。

 それでも現実感が無くて、ICカード不要と言われた改札を通り「地下鉄ダメそうだなぁ……JRに乗り替えるか、タクシーかな?」と考えながら、まだ揺れている地下街を有楽町駅に向けて歩いた。

 地上に出てみて驚いた。
 電車やビルから避難した人が、車道まで溢れている。

 背の高いビルや、テレビ塔の最上部は弧を描いて回っている。
「これはかなり、ヤバイ状況?」ようやく背筋に、悪寒が走った。

 とはいえ所沢に帰ることなど出来ないから、近くて安全な場所に居場所を確保しなきゃならない。幸いなことに、ここからなら妹の病院まで歩いていける。大学病院ほど、安心な場所は思いつかない。

 下手すると、今夜は帰れなくなりそうだと思った。

 小学校通学班が同じ隣人にTくんを預かって貰うように頼み、旦那に連絡を取って早く帰宅してくれるように頼む。

 有楽町から山手線沿いに新橋まで歩き、内幸町、西新橋と記憶をたどりながら病院に到達。大学病院は卒業式らしく、着物や袴姿の卒業生達が外に避難していた。

 エレベーターが止まっていたから、12階まで階段。
 降りてくる人や、追い越して駆け上る人が「がんばって」と、声を掛けてくれたw

「怖かったー」と言いながらも妹は元気そうで安心。
 実家にも妹の無事を連絡したかったけど、電話が繋がらない。

 案の定、電車は全て不通。
 病院で一夜を明かすことになった。

 ところで、慈恵医大病院の近くに「IWATANI本社ビル」があるのですが、ビルの外に避難していた社員が全員、「IWATANI」のロゴが入ったヘルメットをしてました。

 さすがだ……と、変なところで感動w

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