◆今年の紅葉は見事でした。

 天変地異や自然災害のある年は、例年に比べ山々がより紅く色付くと言います。夏の暑さ、季節の風向き、大地の温度、激しい寒暖差、様々な要因が影響するのでしょう。
 しかし、人間はそれを感じることが出来ない。太古の人々なら感じ取ったかもしれないけれど、現代の人間は忘れてしまったのでしょう。
 気付くことが出来ればと思うけど、叶わぬ望みでしかありません。

 それでも生きようとする力に変わりはなく、家が崩れ、道路は寸断され、瓦礫に足を取られても、日常を回復しようと働く人々に逞しさを感じました。

◆十日町は

 関越を降りて八箇峠を越え、十日町に入ったのは14時頃でした。関越道は塩沢あたりにブルーシートで覆われたところがありましたが、雪が降る前の融雪装置の点検か地震被害か判別は出来ません。
 峠を下りて意外に思ったほど、表向きひどい損壊は目にしませんでしたが、家があったはずのところが更地になっていたり、空き地に積み上げた瓦礫にブルーシートが被せてあったり。古い紡績工場が傾いているのに気づいて、ようやく地震の大きさを実感しました。

 実家の紅葉も、いつもより綺麗に染まっています。くすんだ紅ではなく、鮮やかな紅でした。池に落ちた葉が水底に降り積もり、その上を悠然と錦鯉が泳いでいます。
 しかし目を上げれば、トタンが剥げた壁。よく見れば池の底にも亀裂が入っていました。

 家の中は片づいていて、生活に支障はないようです。地震直後に駆けつけた主人が、だいぶ片づけてくれたとか。それでも壁は崩れ落ち、バラバラになった本棚を見れば怪我人が出なくて良かったとしみじみ思います。

 子供達に、あまり走り回るなと注意。震動で壁が落ちてくるからです。依然と変わらないように見えても、クロス張りの壁はクロスが浮いて波打ち、柱と壁の隙間があき、台所の食器はほとんど割れて食器棚はガラガラ。

 近所の家の人が、自力で修繕作業をしています。一部損壊程度では、災害給付金は出ません。暗くなるまで一日中、電動ノコギリや金槌の音が響いていました。

◆店舗営業

 ブルーシートで覆われたところもたくさんありましたが、大方の店舗は何事もなかったかのように営業していました。もちろん、何事もないわけなどありません。
 それでも普段通り店が営業すること。これが生活にどれだけ安心とやる気をもたらすか、お店を営業する人は知っているのでしょう。
 普段より愛想良く、元気に、軽口をたたき、ちょっと地震で傷物になったからと商売品をおまけに付けてくれたりします。

◆あまり付き合いがないと思っていたけど

 近所の人が協力して助け合っている話を聞くと、逆境に置かれた人間は助け合えるんだと、ちょっと感動しました。

◆まだまだ

 陥没したアスファルトは大方埋めてありましたが、所々に赤いパイロンが立っています。のぞき込むと深い穴。スーパーの広い駐車場には、縦横無尽に亀裂が。市の産業会館駐車場には、仮設住宅を建設しています。

 じきに十日町は雪に覆われます。全てのご家族が、暖かなお正月が迎えられるようにと、祈らずにはいられませんでした。

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