◆ようやく壊れたんだ……

 日記で何度か書いてるけど、私は親父と折り合いが悪い。
 あの人は子供を所有物としか思っていない、いつでも自分の思い通りになると思っている。だからそうならないことに苛立ちを感じるらしい。
 私が小学生の時、クラスの男の子と喧嘩したことがある。親父はすぐに、相手の家に怒鳴り込んだ。でもそれは私のためではなく、自分の所有物が馬鹿にされたり傷つけられたりして怒るのと同じ感情だった。私は親父のコレクションである庭木や車、カメラと同じ。
 期待通りの職業に就けなくて結局、親父と同じ職種に就いた。馬鹿なことをしたと気が付いたのは、数年後。
 でも後の祭り。

 家財道具を破壊する大げんかをして、家を出た。シングルパックの引っ越し便に、私物を詰め込み二度と帰らないつもりだった。
 東京で荷物を開けたとき、覚えのない電気釜とヤカンとアルミ鍋が入っていた。見送りにも出てこなかった親父が、こっそり入れた物らしい。
 馬鹿馬鹿しくて、使う気にならなかった。一人暮らしなのに、六合炊きなんて必要なかったし…。

 結婚して、いつの間にか使うようになった。だけど、常に頭の隅に何かが引っかかっていた。子供は親を憎んでも、どこか逆らいきれない。その象徴のようだと思いながら、食生活の主食であるお米を炊いてきた。

 ああ、ようやく壊れたんだ……
 そう思ったとき、私は笑った。
 

コメント

nophoto
オジン
2006年5月3日9:28

 なかなかに凄い関係だったんだね−。お父さんに対する気持ちを、子供を見る時にときどき思い出すのがおそらくは一番いいかなーw。
 デモサ、大事な所有物に対する気持ちが愛情の発端なんだよ。大切なものの独立の人格をも大切にする、本当の愛情なんだろうけどね。

kazato
かざと ゆう
2006年5月11日12:47

 こんにちは
 自分が父の期待通りになれないと解ったときは荒れましたけど、親の思い通りにならなくていいと気が付いたら楽になりました(笑)
 でも、認知症の母の面倒看るために帰ってくるのが当然と言われると、釈然としないんですよね〜。全く、自分の考えでしか物を言わないし、思い通りにならないと子供みたいにふて腐れるし、折り合いつけていくのに苦労します。
 何とかやっていくように頑張りますけど……(苦笑)

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索