◇◇◇◇あけまして おめでとうございます!!◇◇◇◇

<コメント>
★あけましておめでとうございます!本年もどうぞよろしく。

◇一年の計は元旦にあり。と、いうわけで(?)元旦に二部の一話をアップしました。

◇戦国時代の幕開け「応仁の乱」を舞台にした伝奇に始まり、その伝説の残る山中の湖に遊びに行った叢雲のメンバーが事件に巻き込まれます。予告通りにサイキックなお話になるといいのですが(?_?)

◇優樹君、遼君、アキラ君、杏子ちゃん、琴美ちゃん、岡田君、佐野君、後は大人が数名。訳ありの美女、美青年、怪しい詐欺師二人組、謎を知る老人、などが登場。とにかく楽しいお話になればと思っています。

◇序章「魄王丸」は5回くらいで終わる予定で、現代に戻ります。このお話、実はもう十年くらい前に書いたものなのですが、今とあまり進歩がなくてがっくり。むしろ昔の方がよく調べてました。ああ、でも調べる方が楽しくて、書く方ができなかった気もします。ちなみに「うしとら」の同人誌用に書いたもので未完です(^_^;)

よろしくおつき合いくださいませ。

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<本文>

 私立叢雲学園怪奇譚 第二部
序章 『魄王丸』

今宵は新月。ぬばたまの夜、訪れ来たる。
里村人も都人も、淀みたる闇の中、息をひそめ、針ほどの灯も洩らすまいと戸を堅く閉ざしたり。
その狭間、一頭の獣、空を駆らん。猛々しきその姿、爛々たる双眼、闇を裂きたる黄金色の鬣、その爪一撃のもとに岩をも砕く。焔を吐き人肉を喰らい、雲を呼びいかずちを放つ。人々これを恐れ、あまたの勇者討ち果たさんと挑みたるが叶わず。これなるは雷獣、魄王丸と人の呼ぶ。

都を離れ、この里に来てもうどれほどになろうか。庵の周りを、涼しげな美しい若葉で彩っていた楓、錦木、紙八手、柊、銀杏は、葉を落とし頼りげない幹を寒空に晒すようになり、代わりに燃えるように色ずいた紅葉が恐ろしいほどの緋色で山々を覆い尽くす。
「この緋き色は我が心。燃えたぎる我が血潮。戦えぬこの身を呪う我が焦り。」
園部兼光は傷まだ癒えぬ右足に血の滲むほど爪を立て、口惜しさに歯噛みした。
時は応仁元年。京の大飢饉の後に始まった大乱これを、応仁の乱という。兼光の父実光は、東西に分かれて戦う両軍のうちの西軍、山名宋全に味方し東軍の細川勝元と戦う大名の一人であった。そして六月八日の一条大宮の戦いに父に代わって赴いた兼光は、山名教之の下、赤松政則の勢に敗れ深手を負ってしまったのである。まだ二十三歳という若さ故、傷の治りは早い。だがどうにもこの右足が思うように動かないのだ。
八月下旬になって周防の国の大内政弘が入京し、西軍は優勢になりつつある。今こそ総力を結集し、一気に東軍を攻め潰さねばならぬ時なのに。
「兄上、そろそろ風が冷たくなってまいりました。中にお入りにならないと。」
「ああ、美那か。」
柘植の垣根越しに顔を覗かせた妹が目に入ると、兼光は先ほどまでの厳しい顔を途端にほころばせた。
兼光の兄弟は七人。上に姉が一人、下には弟が一人と妹が四人いる。美那はその一番下の妹で、今年十五歳になったばかりであった。今は兄の身の回りの世話のため、この庵に一緒に住んでいる。
「そういえば今夜、柏原殿が戦局を報らせに来られるはずだな。どうりで美那も楽しげにしておるわ。」
「いやですわ、兄上ったら。」
からかうように言うと、美那は顔を赤らめ小走りに庵へと戻っていった。

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☆伝説を現代にリンクさせるのは楽しいですね。この伝説の登場人物がどう関わってくるのかお楽しみに。
☆今年もがんがん書きとばすぞー!!励ましのお言葉くださいね。厳しいご意見も待ってます(^_^)/

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