<コメント>
 週二回のペースでアップしています。その割に、筆が進まず(>_<)
 書いてるのは楽しいのですが、急に投げたくなったり、落ち込んだり。スランプですか?まあ、なんて生意気な!アマチュアのくせに(爆笑)
 年末で気持ちだけ急いてるという事もありますが。別に何か差し迫っている事なんか無いんだけど、なんだかせかせかします。
 予定では、クリスマス前にアキラ君を終わらせたいな。もう、120枚も書いてるし(@_@)
 それで、クリスマスには優樹と遼のちょっと暖かいSSをアップしたいな(希望)
BLにはならないけど。(ホントは書きたいのか?)
バリバリやる気になるような、励ましの言葉が欲しいです。(他力本願・笑)

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<本文>


 それは、東京の地下鉄トンネルが狭く思えるほどの空間だった。大理石の一枚岩で出来ているマンハッタン島は、地盤の頑丈さからビルを建てるのも穴を掘るのもやりたい放題だと聞いたことがある。その真相は定かではないが、この地下下水道を見ればあながち誇張した情報とは思えなかった。
 暗い補助等を頼り、ジェフはまるで自分の庭を歩くかのように迷うことなく、数多に分かれたトンネルを進んでゆく。多少は体力に自信のあるアキラでさえ大柄なその歩幅についていくのがやっとで、キリアンはと言えば完全に息が上がり、立ち止まっては今にも倒れそうになっていた。
 座り込むキリアンの遅れを案じて、引き返したアキラが肩を支えようと片膝を付いたとき、頭越しにのびた腕が軽々と目の前の身体を宙に持ち上げてしまった。見上げると、ジェフが肩にその身を担いでいる。
「この方が早い。」
 コーヒー豆の入った麻袋さながらに(日本的表現では米俵か?)ひと一人担ぎながらも歩は緩むどころか、かえって早くなる。小走りになりながらアキラは、はぐれまいと必死に後を追った。
 いったい何ブロック歩いたであろうか。雨に濡れた身体はすっかり冷え切り、疲労と眠気、加えて空腹が重なりもう一歩も歩けそうもないと思ったとき、ようやくジェフの足が止まった。
「その様子じゃあ通りに放りだして、はいさようならって訳にはいかねぇな。……横須賀ではかみさんが日本人に随分と世話になってたから、ほっとくわけにもいかないか。ほら手を貸してやるからもう少しがんばれよ、俺のアパートが近くにある。」
 差し出された手を弱々しく払いのけ、アキラは前屈みになった上体を無理矢理起こした。
「一人で、歩ける。」
「ほう、鼻っ柱だけじゃなくて根性もあるじゃねえか。気に入ったぜ、ボーイ。」
 反論する元気が既にないとわかって、にやりと笑ったジェフは壁に向かうと手探りで何かを探し始めた。薄明かりの中それが鉄の扉だと気が付いたとき、閂の所在を探り得たジェフによってそれが鈍い金属音と共に開かれる。四角に開いた暗闇の中から、明らかにこの地下道と違った匂いの空気が吹き込んできた。
「先に行きな、もう歩けないってんなら、おまえも担いでやるが。」
 からかうような口調にむっとして扉の中に入ったアキラは、ちろちろと細く水の流れる狭い石段を、手探りで壁を伝いながら上っていった。十二、三段進むと頭が何かに当たり、暗闇の中振り返る。
「押してみろ、開くはずだ。」
 何も見えず、くぐもったジェフの声だけが下方から低い振動となって鼓膜に届く。体力的に自信がなかったが、ここでこのアメリカ人に馬鹿にされるのは真っ平だと、満身の力を込めて頭上の壁を押しあげた。
 労せずして、錆びた鉄枠と鋲が打たれた分厚い木の扉が持ち上がった。差し込む明かりは眩しいほど強くなかったが、下方に位置するジェフの顔を判別できる。促されてアキラは穴の外に出た。

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★鼻っ柱の強い高校生、アキラ君はいかがですか?彼が冷笑的にしか生きられなくなったのはこれからのおはなしです。
◆クリスマスネタが書きたいな。
<叢雲ご意見掲示板>
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