私立むらくも学園怪奇譚・番外(杏子 編)再5
2003年11月1日<コメント>
最近めっきり本を読まなりました。何かで読んだ話ですが、文章を書こうとするなら古典的な名作だけを読んでそこから自分を見つけなさいとありました。今、本屋さんに並ぶたくさんの本を見ると迷いが、出ます。人と違うこと違うことと考えすぎて、書きたいものがわからなくなります。
そんなに偉そうなもの書いてはいませんが、何が書きたいか、はっきり決めておかないといけないですね。テクニックは、どうだっていいんです。(基本的な構成は、ちゃんと踏まえるように気をつけますよ、もちろん・笑)
ちなみに、かざと が書きたいのは、ひたすらかっこいい男の子です。(爆笑)
外見ではなく、気持ちがいい子って言うのかな?愛と勇気と誠、やっぱ、これですよ!
:::::::::::::::::::::
<本文>
放課後になって、弓道部に出るため武道館へと向かうあたしの気分は朝とは大違い。足取りは重く、溜息ばかりが口をついて出る。
更衣室のドアを開けると、先に来ていた琴美は既に稽古着に着替え終わっていた。中学校から弓道をやっている彼女に誘われて高校であたしも始めたんだけど、なんだか今日は武道館に来たくなかった。
「おっそーい! 何処行ってたのよ、探したんだから。って、ちょっと、どうしたの?」
あたしの目に涙がにじんでいるのを見て、琴美が心配そうな顔をした。
「映画、行けなくなったって言われたの。」
「えっ? 秋本先輩に? そう言えば昼休み、あんた真剣な顔して情報誌で映画の時間を調べてたみたいだったけど。放課後、秋本先輩のところに訪ねていったんだ。」
あたしは小さく頷いた。
「優樹が物理と漢文で赤点取ったから、来週の追試の勉強に付き合うんだって。」
「はあっ、仕方ないなぁ。男の友情は女より強いからねぇ。可哀想に、あたしが一緒に行ってあげるから泣くんじゃないよ。」
黙ったまま、のろのろと稽古着に着替えるあたしの頭を琴美が「よしよし」と撫でる。
「それにしても、秋本先輩は相変わらず総合得点の上位に名前があったわよ。大変だったの、彼の方でしょう? 」
「遼くんもさすがに少し点数が落ちたみたいだけど……彼はちゃんと出来る人なの。でも優樹は昔から、何かで頭がいっぱいだと他のことが手に付かなくなっちゃうのよね。」
稽古着に着替えた二人が武道館に入ると、奥の方で剣道部が素振りの練習をしているのが見えた。その中に優樹の姿を見つけて、あたしは精一杯の恨みを込めて叫ぶ。
「優樹の馬鹿ぁっ! 死んじゃえっ!」
埋め合わせはするから、と、約束してくれた言葉通り、後日になって遼くんの誘いで別の映画に行くことが出来た。優樹が剣道部の練習で身体が空かない日を選んでくれたのは遼くんの気遣いだと思う。
結局、コリン・ファレルの映画は琴美と行ったんだけど、一度約束を破った罰だって、彼女のお気に入りのフルーツパーラーでマロンパフェをおごる羽目になっちゃった。これは痛い出費だったなぁ…。
でもあたしは今、幸せいっぱい。なぜなら遼くんがクレーンゲームで取ってくれた大好きなシャチのぬいぐるみを抱いて眠れるから!
(彼の気持ちを聞くのはまたそのうちに……。)
あたしは今夜も王子様の夢を見る。
おわり
:::::::::::::::::::::
★男の子ばかりに心血を注いでいるので、女の子を書くのがどうもだめですねぇ(大笑い)
優樹君のお姉さんはいやな女になるはずなので、これは気持ちよくかけそうです。(おや?)
◆アキラ君編、4日からアップします。お楽しみに!(だから誰も待ってないんだけどね…苦笑)
<叢雲ご意見掲示板>
http://www.ad-office.ne.jp/cgi-bin/bbs/ad1.cgi?8429maki
最近めっきり本を読まなりました。何かで読んだ話ですが、文章を書こうとするなら古典的な名作だけを読んでそこから自分を見つけなさいとありました。今、本屋さんに並ぶたくさんの本を見ると迷いが、出ます。人と違うこと違うことと考えすぎて、書きたいものがわからなくなります。
そんなに偉そうなもの書いてはいませんが、何が書きたいか、はっきり決めておかないといけないですね。テクニックは、どうだっていいんです。(基本的な構成は、ちゃんと踏まえるように気をつけますよ、もちろん・笑)
ちなみに、かざと が書きたいのは、ひたすらかっこいい男の子です。(爆笑)
外見ではなく、気持ちがいい子って言うのかな?愛と勇気と誠、やっぱ、これですよ!
:::::::::::::::::::::
<本文>
放課後になって、弓道部に出るため武道館へと向かうあたしの気分は朝とは大違い。足取りは重く、溜息ばかりが口をついて出る。
更衣室のドアを開けると、先に来ていた琴美は既に稽古着に着替え終わっていた。中学校から弓道をやっている彼女に誘われて高校であたしも始めたんだけど、なんだか今日は武道館に来たくなかった。
「おっそーい! 何処行ってたのよ、探したんだから。って、ちょっと、どうしたの?」
あたしの目に涙がにじんでいるのを見て、琴美が心配そうな顔をした。
「映画、行けなくなったって言われたの。」
「えっ? 秋本先輩に? そう言えば昼休み、あんた真剣な顔して情報誌で映画の時間を調べてたみたいだったけど。放課後、秋本先輩のところに訪ねていったんだ。」
あたしは小さく頷いた。
「優樹が物理と漢文で赤点取ったから、来週の追試の勉強に付き合うんだって。」
「はあっ、仕方ないなぁ。男の友情は女より強いからねぇ。可哀想に、あたしが一緒に行ってあげるから泣くんじゃないよ。」
黙ったまま、のろのろと稽古着に着替えるあたしの頭を琴美が「よしよし」と撫でる。
「それにしても、秋本先輩は相変わらず総合得点の上位に名前があったわよ。大変だったの、彼の方でしょう? 」
「遼くんもさすがに少し点数が落ちたみたいだけど……彼はちゃんと出来る人なの。でも優樹は昔から、何かで頭がいっぱいだと他のことが手に付かなくなっちゃうのよね。」
稽古着に着替えた二人が武道館に入ると、奥の方で剣道部が素振りの練習をしているのが見えた。その中に優樹の姿を見つけて、あたしは精一杯の恨みを込めて叫ぶ。
「優樹の馬鹿ぁっ! 死んじゃえっ!」
埋め合わせはするから、と、約束してくれた言葉通り、後日になって遼くんの誘いで別の映画に行くことが出来た。優樹が剣道部の練習で身体が空かない日を選んでくれたのは遼くんの気遣いだと思う。
結局、コリン・ファレルの映画は琴美と行ったんだけど、一度約束を破った罰だって、彼女のお気に入りのフルーツパーラーでマロンパフェをおごる羽目になっちゃった。これは痛い出費だったなぁ…。
でもあたしは今、幸せいっぱい。なぜなら遼くんがクレーンゲームで取ってくれた大好きなシャチのぬいぐるみを抱いて眠れるから!
(彼の気持ちを聞くのはまたそのうちに……。)
あたしは今夜も王子様の夢を見る。
おわり
:::::::::::::::::::::
★男の子ばかりに心血を注いでいるので、女の子を書くのがどうもだめですねぇ(大笑い)
優樹君のお姉さんはいやな女になるはずなので、これは気持ちよくかけそうです。(おや?)
◆アキラ君編、4日からアップします。お楽しみに!(だから誰も待ってないんだけどね…苦笑)
<叢雲ご意見掲示板>
http://www.ad-office.ne.jp/cgi-bin/bbs/ad1.cgi?8429maki
コメント