私立むらくも学園怪奇譚・番外(杏子 編)再1
2003年10月28日<コメント>
昨日の夕方も、ブルーインパルスが飛んでいた。おおっ!ダイヤモンド編隊!!うっとり見ていて電柱にぶつかりそうになるというベタなドジを踏んだ。しかしあの音。胸が高鳴ります。
カウントが2000行きそうです。皆様どうもありがとう!ちなみに1000ヒットを踏んでくれた「りんせっと」様。唯一知人以外でコメントいただけてうれしいです。「りんせっと」様のリクエストで「神崎刑事 高校生編」か「遼と優樹幼少期 編」を書きますので待っててくださいねっ!
2000ヒット踏んだ方、申告してくださいませ。2部の登場人物を一人、設定してもらおうかと思っています。女の子、男の子、おじさん、おばさん、美女。名前や性格などを。もちろん優樹君のクラスメイトでも、思いを寄せる女の子でもいいです。。ただ、中盤で消えてしまう予定ですが(笑)ただ、美少年はだめですよ。消せなくなってしまうので。(個人的に美少年の味方・爆笑)
さて、杏子ちゃん再アップです。二度目になるので趣向を変えて一人称で書き直してみました。女の身では、女の子の一人称が恥ずかしいですね。かえって男の人の方が、思いこみで女の子を書きやすいのでしょう。少年漫画や小説に出てくる女の子で、共感できる子はいないですねぇ、なかなか。まあ、自分も思いこみで勝手な男の子像を書いているんですが。(苦笑)
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<本文>
毎週月曜日の朝が、あたしの一番幸せな時間。柔らかな朝日の中、彼が白く長い指で優雅にコーヒーを飲んでいる。その唇の触れる白磁の陶器になれるものならばと思うたび、頭に血が上ってあたしの動悸は恥ずかしさに速くなる。
窓から吹き込むさわやかな海風が、白いレースのカーテンをゆらし彼の顔に少しだけ影をつくった。長い睫毛が震えて少し寂しげな憂いを帯びた表情……。つい、うっとりと見つめてしまいそう。
その時、すこし栗色がかった髪がふわりと揺れて、あたしに気付いた彼が優しく微笑んだ。
「おはよう、杏子ちゃん。」
「あっ遼くん、おはよう。」
慌てて挨拶を返して、ダイニングテーブルの斜め向かいの席に座る。ホントは横に座りたいけど、それにはちょっと勇気がいるかも。
「月曜日は杏子も洋食だったわね? 」
母さんがテーブルに置いてくれたのは、大好きなキノコ入りオムレツとパン、サラダ、オレンジジュース。
「ありがと、いただきまーす。」
〈ゆりあらす〉というペンションをやっているあたしの家は、、夕食だけでなく朝食も和・洋のどちらかを選ぶことが出来る。宿泊客がないときは大抵和食になるんだけど、月曜の朝はここから仕事に行くお客さんが多いから、いつも母さんは両方用意している。
「コーヒー、お代わりは? 遼君。」
「有り難うございます、いただきます。」
珍しく母さんが遼くんにコーヒーのお代わりを注いだ。子供がコーヒーを沢山飲むのは良くないと、いつもはお代わりを勧めないのに今日はどういう訳なのかな。そういえば遼くん、あくびを噛み殺しているみたい。
「眠そうね、遼くん。」
「うん、明け方近くまで優樹のために眠れなかったんだ。」
「またぁ?」
さてはまた、優樹のヤツが遼くんを困らせたんだ。
「なんだよ、おまえがやりたいって言ったんだぜ。」
遼くんの真向かいでアジの開きのお代わりを骨ごと頭からかじる優樹が、あたしを見て不満そうな声で呟く。
「だって毎週じゃない。来るたびに遼くん、優樹のパソコン修理してるわよ。自分で直せないなら使わない方がいいんじゃない? 」
「よけいなお世話。こいつはパソコンいじるの好きなんだからさ、いいんだよなっ、遼。」
優樹ってば、また勝手なこと言ってる。でもこんな時に見せる遼くんの明るい笑顔があたしは大好き。悔しいけど、優樹の前以外で彼がその屈託のない笑顔を見せることはないと思う。他の人には何時も穏やかで優しい微笑みだけしかしないから。
遼くんのきちんとアイロンのかかった白いシャツは、襟元まできっちりとボタンをしめて、学園指定の臙脂色のネクタイを綺麗に結んである。校章の入ったタイピンも、留めてあるところは指定の場所から数ミリも違わない。
週末を何時もこのペンションで過ごす遼くんの着替えを洗濯してくれるのは母さんだけど、アイロンは自分でかけることになっている。アイロンがけが上手なのはやっぱり小さい頃からお母さんが働いてたからかな。それにしたって……。
「優樹、シャツのボタンくらいちゃんとしめたら? アイロン、襟と袖にしかかけてないしネクタイの結び方もだらしないんだから。ところであなたは眠そうじゃないけど、遼くんに修理を任せて先に寝ちゃったんじゃないでしょうね? 」
「あーもう、朝からうるせえなぁ。だいたい俺が一緒に起きてても、仕方ないだろう? 何も出来ないんだから。朝ロードワークがあるから早く寝ないと授業中眠くなるんだ。それにさっきシャワー浴びて熱いんだよ。人の事よりさっさと朝飯食わないと遅刻するぞ。おまえ、飯食ってから支度が長いんだからさ。」
「あんたがアジの開きを丸かじりしてるの見ると、朝から食欲なくしちゃうわよ。せめて骨くらい出したら? 猫じゃあるまいし。遼くんもそう思うでしょう? 」
いきなり話を振られて、遼くんは困ったような顔になった。。
「まあ、好きずきだけど。でも骨は出さないと咽を傷つけるよ、優樹。」
「ほらご覧なさい、遼くんだってそう言ってるじゃない。」
勝ち誇った顔のあたしを、優樹は完全無視。
「カルシウム補給だよ、育ち盛りだからな。オヤジがそう言ってたんだ。」
もうひとこと、言ってやらなきゃ気が済まないと思ったところに、父さんが食堂に顔を出した。
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昨日の夕方も、ブルーインパルスが飛んでいた。おおっ!ダイヤモンド編隊!!うっとり見ていて電柱にぶつかりそうになるというベタなドジを踏んだ。しかしあの音。胸が高鳴ります。
カウントが2000行きそうです。皆様どうもありがとう!ちなみに1000ヒットを踏んでくれた「りんせっと」様。唯一知人以外でコメントいただけてうれしいです。「りんせっと」様のリクエストで「神崎刑事 高校生編」か「遼と優樹幼少期 編」を書きますので待っててくださいねっ!
2000ヒット踏んだ方、申告してくださいませ。2部の登場人物を一人、設定してもらおうかと思っています。女の子、男の子、おじさん、おばさん、美女。名前や性格などを。もちろん優樹君のクラスメイトでも、思いを寄せる女の子でもいいです。。ただ、中盤で消えてしまう予定ですが(笑)ただ、美少年はだめですよ。消せなくなってしまうので。(個人的に美少年の味方・爆笑)
さて、杏子ちゃん再アップです。二度目になるので趣向を変えて一人称で書き直してみました。女の身では、女の子の一人称が恥ずかしいですね。かえって男の人の方が、思いこみで女の子を書きやすいのでしょう。少年漫画や小説に出てくる女の子で、共感できる子はいないですねぇ、なかなか。まあ、自分も思いこみで勝手な男の子像を書いているんですが。(苦笑)
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<本文>
毎週月曜日の朝が、あたしの一番幸せな時間。柔らかな朝日の中、彼が白く長い指で優雅にコーヒーを飲んでいる。その唇の触れる白磁の陶器になれるものならばと思うたび、頭に血が上ってあたしの動悸は恥ずかしさに速くなる。
窓から吹き込むさわやかな海風が、白いレースのカーテンをゆらし彼の顔に少しだけ影をつくった。長い睫毛が震えて少し寂しげな憂いを帯びた表情……。つい、うっとりと見つめてしまいそう。
その時、すこし栗色がかった髪がふわりと揺れて、あたしに気付いた彼が優しく微笑んだ。
「おはよう、杏子ちゃん。」
「あっ遼くん、おはよう。」
慌てて挨拶を返して、ダイニングテーブルの斜め向かいの席に座る。ホントは横に座りたいけど、それにはちょっと勇気がいるかも。
「月曜日は杏子も洋食だったわね? 」
母さんがテーブルに置いてくれたのは、大好きなキノコ入りオムレツとパン、サラダ、オレンジジュース。
「ありがと、いただきまーす。」
〈ゆりあらす〉というペンションをやっているあたしの家は、、夕食だけでなく朝食も和・洋のどちらかを選ぶことが出来る。宿泊客がないときは大抵和食になるんだけど、月曜の朝はここから仕事に行くお客さんが多いから、いつも母さんは両方用意している。
「コーヒー、お代わりは? 遼君。」
「有り難うございます、いただきます。」
珍しく母さんが遼くんにコーヒーのお代わりを注いだ。子供がコーヒーを沢山飲むのは良くないと、いつもはお代わりを勧めないのに今日はどういう訳なのかな。そういえば遼くん、あくびを噛み殺しているみたい。
「眠そうね、遼くん。」
「うん、明け方近くまで優樹のために眠れなかったんだ。」
「またぁ?」
さてはまた、優樹のヤツが遼くんを困らせたんだ。
「なんだよ、おまえがやりたいって言ったんだぜ。」
遼くんの真向かいでアジの開きのお代わりを骨ごと頭からかじる優樹が、あたしを見て不満そうな声で呟く。
「だって毎週じゃない。来るたびに遼くん、優樹のパソコン修理してるわよ。自分で直せないなら使わない方がいいんじゃない? 」
「よけいなお世話。こいつはパソコンいじるの好きなんだからさ、いいんだよなっ、遼。」
優樹ってば、また勝手なこと言ってる。でもこんな時に見せる遼くんの明るい笑顔があたしは大好き。悔しいけど、優樹の前以外で彼がその屈託のない笑顔を見せることはないと思う。他の人には何時も穏やかで優しい微笑みだけしかしないから。
遼くんのきちんとアイロンのかかった白いシャツは、襟元まできっちりとボタンをしめて、学園指定の臙脂色のネクタイを綺麗に結んである。校章の入ったタイピンも、留めてあるところは指定の場所から数ミリも違わない。
週末を何時もこのペンションで過ごす遼くんの着替えを洗濯してくれるのは母さんだけど、アイロンは自分でかけることになっている。アイロンがけが上手なのはやっぱり小さい頃からお母さんが働いてたからかな。それにしたって……。
「優樹、シャツのボタンくらいちゃんとしめたら? アイロン、襟と袖にしかかけてないしネクタイの結び方もだらしないんだから。ところであなたは眠そうじゃないけど、遼くんに修理を任せて先に寝ちゃったんじゃないでしょうね? 」
「あーもう、朝からうるせえなぁ。だいたい俺が一緒に起きてても、仕方ないだろう? 何も出来ないんだから。朝ロードワークがあるから早く寝ないと授業中眠くなるんだ。それにさっきシャワー浴びて熱いんだよ。人の事よりさっさと朝飯食わないと遅刻するぞ。おまえ、飯食ってから支度が長いんだからさ。」
「あんたがアジの開きを丸かじりしてるの見ると、朝から食欲なくしちゃうわよ。せめて骨くらい出したら? 猫じゃあるまいし。遼くんもそう思うでしょう? 」
いきなり話を振られて、遼くんは困ったような顔になった。。
「まあ、好きずきだけど。でも骨は出さないと咽を傷つけるよ、優樹。」
「ほらご覧なさい、遼くんだってそう言ってるじゃない。」
勝ち誇った顔のあたしを、優樹は完全無視。
「カルシウム補給だよ、育ち盛りだからな。オヤジがそう言ってたんだ。」
もうひとこと、言ってやらなきゃ気が済まないと思ったところに、父さんが食堂に顔を出した。
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