<コメント>
 パソコンが、燃えてしまった。マザーボードがいっちゃったんだ。うーん、でももう一台あるし、データはとってあるから自分はたいして困らないんだけど、改良に改良を重ねて満足いくマシンを作った旦那は大ショックだったようです。ははは、かわいそうに。
 さて、誰も何も言わないことだし、アキラ君編書くかぁ。しかし、そうは言ったもののアメリカ編にして今更だけど失敗したなぁ、と思う。資料を勉強しなくちゃ。何とかなるか?うーん、何とかなるでしょう。(苦笑)

:::::::::::::::::::::
<本文>

 街中を、色とりどりの電飾が飾り立てている。気が付けばもう、十二月に入っているのだ。あちこちで流れるクリスマスソング。購買意欲を誘う広告。溢れる色彩、赤、白、緑。
 自家用車の窓から、神崎はぼんやり外を眺めていた。クリスマスを十日後に控えた今日の合コンで、本番の相手を決めようと意気込む女の子達。その中に入らずに済んだことは幸いだったが、毎年仕事でクリスマスや正月を過ごすのが、そろそろ寂しくなってきたのも確かだ。
(兄さんに、頼んでみようかなぁ……。)
 自分が送ってきた女の子がレストランの玄関に消える姿を見送って、神崎は車寄せからハンドルを切った。その時彼の車の前を、見覚えのある姿が横切る。
「あ、早川。」
 彼の車に気付いて、彼女が立ち止まった。
「神崎さん、参加するんじゃなかったんですか?」
「いや、俺は……仕事があるから断ったんだ。」
 人数に入っていないとは言えない。
「私もルミちゃんに頼まれてきたんだけど、実は書類の方が終わってなくて。ちょっと待っててもらえますか?」
 神崎が了解すると、彼女は携帯で片桐に連絡を取っているようだった。
「今断りましたから、すみませんが署まで載せてってもらえませんか?」
「それは構わないけど……いいのかい?」
「いいんですよ、どうせ私が行っても浮いちゃいます。ルミちゃん、クリスマスまでに彼氏をつくるって意気込んでて、つい付き合う羽目になっただけなんです。」
 早川が交通課の婦警達と付き合いがあるとは以外だった。
「あっ、そうだ。今ついでですから渡しておきますね。」
 助手席に座った早川は、小さな紙袋を神崎に手渡した。
「神崎さんのカップ、底にヒビが入ってました。もしデスクで割れたら悲惨ですよ。これ、安物ですけど良かったら使ってください。」
 中には手頃な大きさのマグカップの入った箱がある。
「あ、有り難う。」
「濱田さんの湯飲みも、縁が欠けてるから洗うとき危ないんですけどね、娘さんが修学旅行で買ってきてくれた物だからって、絶対に取り替えてくれないんですよ。」
「じゃあ、何時もカップを片付けてくれてるの、君だったんだ。」
「あら、知らなかったんですか?」
 早川が、笑った。そうか、職場でなければ彼女も笑うのだ。
「えっと、署に戻る前に、何処かで飯でも食っていかないか? 気の利いた店は、知らないんだけど。」
 神崎の誘いに、早川は首を傾けた。
「私は縄のれんでも、赤提灯でも、屋台のラーメンでも構いませんよ。濱田さんの誘いに乗らないのは、あの人が直ぐに『結婚しろ、相手を俺が捜してやる』って言うからです。」
 神崎は笑って、車を発進させた。
 マグカップのお礼に『ラ・クレマンティーヌ』のケーキを買うべきか、それとも居酒屋に誘うべきかと考えながら……。

終わり

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★BGMにお好きなクリスマスソングでも?
 明日から「杏子ちゃん編」再アップします。アキラ君はちょっと待ってね。

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