<コメント>
前回、34回としましたが35回の間違いでした。ごめんなさい。
それにしても、漫画の刑事さんはどうしてあんなに学生に協力的なのか?ドラマでも素人探偵に情報をぺらぺらしゃべるし。それでないと、話を進めないんですが・・・。
神崎さんは少しはプライドあるようですね。濱田さんはないようです。(笑)

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<本文>

 学生達を目の前にして、神崎はまるで自分が取り調べを受ける加害者のような、居心地の悪い気分だった。自分から言い出したはずなのに、やはり若い者の相手は若い者が、と、勝手な理屈を言って 濱田は離れたところで様子を伺っている。
「それで、君達は何が知りたいんだい? 」
 努めて平静を装ったが、優樹との大人げないやりとりがまだ差し響いてか、いつもの調子が出ない。
「ただし、何度も言うようだが江里香さんと僕は付き合っていたことはない。これは本当だよ。ただ……、彼女のことが好きだったことは確かさ。よく美術室に彼女の姿を見に行っていた。」
 言い終えて神崎は大きく息を吐いた。まさか高校生相手にこんな事を言うことになろうとは思っても見なかった。
「神崎刑事が僕等の質問に正直に答えてくれたことに感謝して、こちらからも一つ、最近解ったことを教えます。」
 アキラの言葉に、神崎の表情が変わった。彼等は思いの外早く、戯れ言から解放してくれるようだ。
「警察は成田先生がこの春、都心のホテルで開かれた大学の同窓会に出席したことを知っていましたか? 」
「いや、初めて聞く話だ。」
「先生のご主人も知らなかったようですからね。ところで先生はあまりパソコンが得意なほうではなくて、職員室のPCは決められたプログラム以外絶対にいじらなかった。それでもたまにネットを覗く必要があったようで、その時は理学部のPCを利用していました。操作方法は理学部の学生に聞いていたようです。アクセスしていたURLは彼女の出身大学のホームページで、同窓会用の掲示板が設けられていました。」
「調べてみたのか? 」
「掲示板を開くためにはパスワードが必要でしたが、理学部の友人がなんとかしてくれたんです。」
 なんとか、とはどういう事なのかこの際聞くまい。
「内容は同窓会前は打ち合わせや近況報告で、同窓会後からはコミュニケーション用になっていました。その中のスレッドに、この夏房総を旅行しようというグループのものがあったんです。成田先生はここに書き込みをしていて、幹事の一人だったようです。」
 いつかは警察もそこまでたどり着けただろうが、やはり学校での調査は学生にかなわないようだ。濱田を伺い見ると、やはり感心したように頷いている。
「旅行は二泊三日。館山での宿泊場所やスケジュール、メンバーなどはこの中に入っています。男性も数名いましたよ。ちなみに成田先生のご主人は市の観光課のリゾート視察とかいう名目で、海外出張中でした。」
 一枚のCDを、アキラは神崎に渡した。
「かなわないな、ここまでやられたら立つ瀬がないよ。」
「いえ、僕等に出来るのはここまでですから。」
 アキラが微笑む。
「それじゃあ、僕の方は何を話せばいいかな? 」
「検死報告を、教えてください。」
 神崎は頷き、手帳を取り出した。
「詳しいことが知りたければ後で書類を用意するから、くれぐれも警察のコンピューターにハッキングなどしないでくれよ。」
 彼は念のために釘を差す。
「死体から解った、犯人の手がかりになりそうな証拠だが、彼女の髪と皮膚から微量のシリコン化合物と無発泡ポリウレタンが発見された。これは一人目の被害者、山本葉月の髪に着いていた物と同じだった。」
「両方ともフィギュアモデルに使う物だ。」
 遼が呟いた。
「遼君は美術部だったね。じゃあ良く知っているんだ。」
 神崎の言葉に彼は首を横に振った。

:::::::::::::::::::::
<コメント2>
死体の処理方法およびモデルの制作方法は、設定上詳しく調べましたが、ちょっとお話にふさわしくないような表現になってしまうので省きます。どのような方が読んでいるのかわからないので・・・。多分15歳以下の人は居ないと思うのですが・・・。

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