私立むらくも高校怪奇譚 1（第26回）
2003年9月5日＜コメント＞
明日、「踊る大捜査線」の映画に行くのだ。ふふふっ！実はおじさん好きなので、室井さんと新庄君が目当てさっ！（青島君も好きよ、でもあと十年たったらもっと良いな。）
「叢雲」でも田村さんと大貫さんの事を沢山書きたいけど、多分みんなに逃げられる・・・。
杏子ちゃん、好きな子です。普通に女子高生で、ギャルゲーに出てくるような・・・（なんちゅー例えでしょうねぇ(^^;)）もっと個性的にしようかとも思いましたが、話がうるさくなりそうでやめました。裏設定、掲示板に入れときますので興味のある方はどうぞ。
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＜本文＞
遅くなって彼が写真部に赴くと、今日はアキラと優樹の他に岡田と、何故か田村杏子が話に加わっていた。どうやら彼女は優樹の様子がいつもと違うことを心配する田村小枝子のために、自ら原因を確かめるつもりらしかった。いつもはこの時間でも何人かは残っているのだが、アキラに追い返されたのか他に生徒はいない。
「杏子、おまえもう帰れよ。今日自転車で来てるんだろう？ 外暗くなってきたし、おばさんが心配するからさ。」
「イヤよ！ あたしだって関係者だもの。のけ者にしないでよ。」
杏子は優樹にくってかかる。
「それはどうかと思うけど……。」
優樹は困惑の表情を浮かべた。そこにすかさずアキラが、彼女のために助け船を出す。
「いいんじゃないの？ 結構女の子のカンが役に立つことも多いんだぜ。帰りはおまえがバイクで伴走してやればいいんだし。」
「ええっ！ イヤだよ俺、ママチャリと並んで走るのなんか。」
彼は迷惑そうに顔をしかめた。
「あら、安全運転でいいでしょう？ 昨夜転倒して右手かなり痛めてるくせに今日無理にバイクで来たりして。アクセル開くのやっとなんじゃない？ 部活の時も左手片手素振りしかしてなかったの、弓道場から見えたわよ。」
杏子が所属する弓道部は、剣道部と同じ武道館で練習している。彼女は優樹の事が心配でずっと見ていたのだろう。
「余計なこと、言うなよ！ 」
横殴りの雨と、すくい上げるような突風にバランスを崩し、転倒してしまった。悪天候での運転に、自信があったはずだった。だが昨夜は、どうしても気持ちが集中出来なかったのだ。千々に乱れる思考が判断力を奪い、気付いたときは既に遅く、身体は道路下の海岸に投げ出されていた。
「酷く、痛めたの？ 」
心配そうに気遣う遼に、何でもねぇよ、と言って優樹は顔を背ける。右手の打撲と軽い擦過傷で済んだのは、彼が遼に言ったとおり並はずれた運動神経のおかげもあろうが、雨で身体が滑ったことも幸いしていた。
二人のやりとりを、面倒みきれないな、と、感じているのはどうやらアキラだけではないらしい。
「それじゃぁ、そろそろ本題に入ろうか。いいかな？ ご両人。」
岡田と目が合い、アキラは意を得たように片目をつむって見せた。
八街から遼が聞いた話は、彼等にも成田智子に対する不信感を抱かせたようだった。
「在るべき場所に在るべき物がないと、気が済まない性格だからな、あの先生は。」
アキラの言葉に、遼が頷く。
「それじゃあ、成田先生が犯人なのか？ 」
「だからそう、結論を急ぎなさんな。篠宮みたいなのが刑事になったら誤認逮捕で始末書の山だな。」
早る優樹をアキラがからかった。
「でも何か知っていそうな気はしますね。」
「さすが秋本は冷静だね。」
追い打ちをかけるようなアキラの言葉に、優樹がふてる。
「ナリちゃんの事なら、最近女の子の間で噂になってるわよ。」
杏子が得意そうに口を挟んだ。
「ナリちゃん？ それ、成田先生のことか。」
女子学生が成田をそう呼んでいるとはアキラも知らなかった。
「ナリちゃん、最近綺麗になったのよ。以前はいつも同じ色合いのニットのトップに、センスの悪いロングスカートはいてたでしょ。おまけにあの引きずるような白衣。背が低いんだから似合わない、最悪ってみんな言ってたんだけど……。」
杏子は、四人が自分の話に興味を示しているのが嬉しいようだ。少し勿体ぶるように間をあけた。
「夏休みが明けてから、タイトな服に変わったの。コーディネイトするブランドも三つくらいに絞ってあるようだし、確かあれは……。」
「ブランドのことはおいといて、それがどういう事か教えてくれると助かるんだけど。」
アキラが困ったように杏子に頼む。
「あら、そんな事すぐにわかるじゃない。彼氏が出来たのよ、間違いなくね。」
「ええっ！」
男子四人は同時に声を上げた。
「成田先生、既婚者だぞ。」
今まで黙っていた岡田が、言ってはいけない事のように低い声で呟く。彼女の言い方は、まるで夫以外の男性が存在しているといった口振りだ。
「不倫よ、決まってるじゃない。」
杏子は自信満々だ。
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＜叢雲ご意見掲示板＞
・キャラ裏設定紹介してます。感想などありましたら遠慮なくどうぞ！
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明日、「踊る大捜査線」の映画に行くのだ。ふふふっ！実はおじさん好きなので、室井さんと新庄君が目当てさっ！（青島君も好きよ、でもあと十年たったらもっと良いな。）
「叢雲」でも田村さんと大貫さんの事を沢山書きたいけど、多分みんなに逃げられる・・・。
杏子ちゃん、好きな子です。普通に女子高生で、ギャルゲーに出てくるような・・・（なんちゅー例えでしょうねぇ(^^;)）もっと個性的にしようかとも思いましたが、話がうるさくなりそうでやめました。裏設定、掲示板に入れときますので興味のある方はどうぞ。
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＜本文＞
遅くなって彼が写真部に赴くと、今日はアキラと優樹の他に岡田と、何故か田村杏子が話に加わっていた。どうやら彼女は優樹の様子がいつもと違うことを心配する田村小枝子のために、自ら原因を確かめるつもりらしかった。いつもはこの時間でも何人かは残っているのだが、アキラに追い返されたのか他に生徒はいない。
「杏子、おまえもう帰れよ。今日自転車で来てるんだろう？ 外暗くなってきたし、おばさんが心配するからさ。」
「イヤよ！ あたしだって関係者だもの。のけ者にしないでよ。」
杏子は優樹にくってかかる。
「それはどうかと思うけど……。」
優樹は困惑の表情を浮かべた。そこにすかさずアキラが、彼女のために助け船を出す。
「いいんじゃないの？ 結構女の子のカンが役に立つことも多いんだぜ。帰りはおまえがバイクで伴走してやればいいんだし。」
「ええっ！ イヤだよ俺、ママチャリと並んで走るのなんか。」
彼は迷惑そうに顔をしかめた。
「あら、安全運転でいいでしょう？ 昨夜転倒して右手かなり痛めてるくせに今日無理にバイクで来たりして。アクセル開くのやっとなんじゃない？ 部活の時も左手片手素振りしかしてなかったの、弓道場から見えたわよ。」
杏子が所属する弓道部は、剣道部と同じ武道館で練習している。彼女は優樹の事が心配でずっと見ていたのだろう。
「余計なこと、言うなよ！ 」
横殴りの雨と、すくい上げるような突風にバランスを崩し、転倒してしまった。悪天候での運転に、自信があったはずだった。だが昨夜は、どうしても気持ちが集中出来なかったのだ。千々に乱れる思考が判断力を奪い、気付いたときは既に遅く、身体は道路下の海岸に投げ出されていた。
「酷く、痛めたの？ 」
心配そうに気遣う遼に、何でもねぇよ、と言って優樹は顔を背ける。右手の打撲と軽い擦過傷で済んだのは、彼が遼に言ったとおり並はずれた運動神経のおかげもあろうが、雨で身体が滑ったことも幸いしていた。
二人のやりとりを、面倒みきれないな、と、感じているのはどうやらアキラだけではないらしい。
「それじゃぁ、そろそろ本題に入ろうか。いいかな？ ご両人。」
岡田と目が合い、アキラは意を得たように片目をつむって見せた。
八街から遼が聞いた話は、彼等にも成田智子に対する不信感を抱かせたようだった。
「在るべき場所に在るべき物がないと、気が済まない性格だからな、あの先生は。」
アキラの言葉に、遼が頷く。
「それじゃあ、成田先生が犯人なのか？ 」
「だからそう、結論を急ぎなさんな。篠宮みたいなのが刑事になったら誤認逮捕で始末書の山だな。」
早る優樹をアキラがからかった。
「でも何か知っていそうな気はしますね。」
「さすが秋本は冷静だね。」
追い打ちをかけるようなアキラの言葉に、優樹がふてる。
「ナリちゃんの事なら、最近女の子の間で噂になってるわよ。」
杏子が得意そうに口を挟んだ。
「ナリちゃん？ それ、成田先生のことか。」
女子学生が成田をそう呼んでいるとはアキラも知らなかった。
「ナリちゃん、最近綺麗になったのよ。以前はいつも同じ色合いのニットのトップに、センスの悪いロングスカートはいてたでしょ。おまけにあの引きずるような白衣。背が低いんだから似合わない、最悪ってみんな言ってたんだけど……。」
杏子は、四人が自分の話に興味を示しているのが嬉しいようだ。少し勿体ぶるように間をあけた。
「夏休みが明けてから、タイトな服に変わったの。コーディネイトするブランドも三つくらいに絞ってあるようだし、確かあれは……。」
「ブランドのことはおいといて、それがどういう事か教えてくれると助かるんだけど。」
アキラが困ったように杏子に頼む。
「あら、そんな事すぐにわかるじゃない。彼氏が出来たのよ、間違いなくね。」
「ええっ！」
男子四人は同時に声を上げた。
「成田先生、既婚者だぞ。」
今まで黙っていた岡田が、言ってはいけない事のように低い声で呟く。彼女の言い方は、まるで夫以外の男性が存在しているといった口振りだ。
「不倫よ、決まってるじゃない。」
杏子は自信満々だ。
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