<コメント>
 神崎刑事の使用している拳銃を「ニューナンブM60」に決定。彼の簡単なプロフィールは掲示板で。
 やはりリボルバーが良いですね。日本の警察は。ちなみに彼の腕前は・・・?
 優樹君の構えは、学校では強気の上段。道場では平正眼です。

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<本文>

 昼までの青空とはうってかわり五限目に入った頃から重い灰色の雲が海上の方から広がり始め、とうとう放課後になって細かい雨が降り出してきた。
 教室のある南棟から渡り廊下で繋がる西棟は、一階が各科目教室、二階は図書室と自習室になっていて、三階に文化部の部室があった。
 学園が創立されたときに新築された南棟と違い、西棟は元々あった学校を改築したものだ。設備は良く整っているが、外装は明治初期の建築様式で和と洋の融合した美しい建物である。新築校舎も似た造りに建てられているが、やはり本物にはかなわなかった。
 しかし凝った装飾の手摺りや年代物の美術品のある階段や廊下は、今日のような雨の日には暗く気味の悪いものでしかない。そこを三階まで上ること事を嫌う学生は外にある螺旋状の非常階段を使っていた。
 普段は彼も非常階段を利用していたが、風が強くなってきたため濡れることを避けて屋内の階段を重い足取りで上っていく。吹き抜けになった天井を仰ぐと、高いところにある幾つかの明かり取り用の窓から暗い空が見えた。
 階段を上りきったところから部室が近づくにつれ、アキラがコーヒーを入れているのが香りで解る。それがなければ彼は部室に入るまで暫くドアの前で迷っていたに違いなかった。
 ドアを開けると常連の何人かが彼に軽く手を挙げ挨拶をしたが、その中に岡田はまだいなかった。
「彼ならまだ来てないよ。」
 いつの間に後ろに立ったのか、肩越しにアキラに声をかけられ遼は心臓が止まるほど驚いた。
「え、岡田まだ来てないんですか?」
「岡田?」
 ああ、と、アキラは笑う。
「岡田は今日、多分来ないよ。おたくにことづてを頼んだのは俺。」
 アキラは遼と優樹に話したいことがあったので、昼飯を食べるために部室にやってきた岡田に、放課後二人に来てくれるよう頼んだのだ。断られるかな、とも思ったが、彼は無愛想に頷いた。 
 普段から無口で自分のことも友人のこともあまり語らない彼だが、気持ちのいい男だとアキラは知っている。自分なりに優樹に何か言ってやりたいのだろうが、どうにも器用に立ち回れないでいるのだろう。
「悟、いるか?」
 入り口から大声で岡田を呼んだ優樹は、アキラと遼に気付いて一歩後ずさった。が、気を取り直す。
「よ、よう。秋本、今日来てたんだ。」
 そのわざとらしさにアキラがあきれ顔で手招きした。
「いいからさ、こっち来いよ。面白い話、聞かせてやるから。」

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<叢雲ご意見所>
・キャラ裏設定紹介してます。
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