私立むらくも高校怪奇譚 1(第8回)
2003年7月2日<コメント>
曜日が不定期ですが、とりあえず週2回は続けて出してます。最近アニパロ小説に浮気してたので(笑)書きためた文があんまりないや。いかんいかん・・・。主人公より刑事に愛があると言われましたが、その通りでーす。書き手が引いたコース通りにしか走れない主人公よりサイドキャラを書くのは楽しいけど、いかんせん、それでは自分で自分のパロを書いてるようなもんです。自粛せねば。読者も増えたようで\(^O^)/わーい!!張り切ってます。
:::::::::::::::::::::
<本文>
「長いこと待たせて、悪かったね。君が・・・篠宮君かい?」
第一発見者と目星をつけた少年に濱田が話しかけると、もう一人の少年が彼の前に進み出た。
「篠宮優樹は俺です。」
「うん?では君がこの・・・。」
死体と言いかけ、その生々しい表現がこの場にそぐわない気がして濱田は口ごもった。
「石膏像の・・・中の物を最初に見つけたわけだな。ではそのときの状況を、すまないがもう一度話してもらえるかな。」
「待ってください。最初に死体を見つけたのは僕です。」
「ああ、君が秋本遼君か。」
濱田は最初の報告を書き留めた手帳に目を通した。
「違う、石膏像を割ったのは俺です!」
濱田の思ったとおり優樹は遼を庇うつもりだったようだ。なおも言い張ろうとする優樹を手で制し、濱田は苦笑した。
「まあ、待ちたまえ。いいかね、何も君たちを容疑者扱いしてるわけじゃないんだよ。この死体が見つかった状況だけ話してくれればいいんだ。それじゃぁ秋本君から話を聞こうか。」
石膏像を見つけて優樹がそれを引っ張り出し床に落とすまでを遼が訥々と話している間、優樹は落ち着かない様子で遼と濱田を見つめている。濱田にはその優樹の様子の方が気になった。何か知られては困ることがあるのか?それは優樹と遼、どちらにとってなのか?
この年頃の子供にありがちな好奇心から見慣れない物に手を出し誤って壊してしまった。たまたまそこにあるはずのないものがあったことが彼らにとって不測の事態を招いてしまったのだが、ましてや男の子のすることである。取り立てて隠さなくてはならない何かがそこにあるようには思えない。
しかし彼らの様子は何処か不自然だった。
遼の話を聞き終わって濱田が腕時計を見ると、針は既に九時を回ろうとしている。
「すっかり遅くなってしまったな、ご両親も心配してるだろう。まだ何度か話を聞くことになるかもしれんが協力をお願いするよ。おかげで十二年ぶりに犯人を捕まえられるかもしれないんだ。おい神崎、この子達を家まで送ってもらってくれ。」
廊下で教師から話を聞いていた神崎が濱田のところに駆け戻った。
「あの、篠宮君の保護者の方が迎えに来ているようですが・・・。」
「保護者?」
「彼が下宿している家の主人でペンションを経営している田村という方です。」
「ああ、〈スローターハウス〉のご主人か。・・・田村さんにこの子達を預けたら、明日夕方くらいにそちらに伺うと伝えておいてくれ。」
「はい、わかりました。」
神崎は二人と連れだって廊下に出ると、少し離れた先で彼らを待っている四十代半ばの男性に会釈した。
「今日はいろいろと大変だったね。かなり疲れたと思うけど、我々が長いこと探している殺人犯逮捕に繋がる重要な証拠が見つかったんだ。これからも協力をお願いするよ。それから・・・。」
彼は手帳から私製の名刺を取り出した。
「ここに僕の携帯番号が書いてあるから、警察に来てまで話すほどでないような小さなことでも何か思い出したら教えてくれるかい。」
二人は一枚ずつ名刺を受け取った。
曜日が不定期ですが、とりあえず週2回は続けて出してます。最近アニパロ小説に浮気してたので(笑)書きためた文があんまりないや。いかんいかん・・・。主人公より刑事に愛があると言われましたが、その通りでーす。書き手が引いたコース通りにしか走れない主人公よりサイドキャラを書くのは楽しいけど、いかんせん、それでは自分で自分のパロを書いてるようなもんです。自粛せねば。読者も増えたようで\(^O^)/わーい!!張り切ってます。
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<本文>
「長いこと待たせて、悪かったね。君が・・・篠宮君かい?」
第一発見者と目星をつけた少年に濱田が話しかけると、もう一人の少年が彼の前に進み出た。
「篠宮優樹は俺です。」
「うん?では君がこの・・・。」
死体と言いかけ、その生々しい表現がこの場にそぐわない気がして濱田は口ごもった。
「石膏像の・・・中の物を最初に見つけたわけだな。ではそのときの状況を、すまないがもう一度話してもらえるかな。」
「待ってください。最初に死体を見つけたのは僕です。」
「ああ、君が秋本遼君か。」
濱田は最初の報告を書き留めた手帳に目を通した。
「違う、石膏像を割ったのは俺です!」
濱田の思ったとおり優樹は遼を庇うつもりだったようだ。なおも言い張ろうとする優樹を手で制し、濱田は苦笑した。
「まあ、待ちたまえ。いいかね、何も君たちを容疑者扱いしてるわけじゃないんだよ。この死体が見つかった状況だけ話してくれればいいんだ。それじゃぁ秋本君から話を聞こうか。」
石膏像を見つけて優樹がそれを引っ張り出し床に落とすまでを遼が訥々と話している間、優樹は落ち着かない様子で遼と濱田を見つめている。濱田にはその優樹の様子の方が気になった。何か知られては困ることがあるのか?それは優樹と遼、どちらにとってなのか?
この年頃の子供にありがちな好奇心から見慣れない物に手を出し誤って壊してしまった。たまたまそこにあるはずのないものがあったことが彼らにとって不測の事態を招いてしまったのだが、ましてや男の子のすることである。取り立てて隠さなくてはならない何かがそこにあるようには思えない。
しかし彼らの様子は何処か不自然だった。
遼の話を聞き終わって濱田が腕時計を見ると、針は既に九時を回ろうとしている。
「すっかり遅くなってしまったな、ご両親も心配してるだろう。まだ何度か話を聞くことになるかもしれんが協力をお願いするよ。おかげで十二年ぶりに犯人を捕まえられるかもしれないんだ。おい神崎、この子達を家まで送ってもらってくれ。」
廊下で教師から話を聞いていた神崎が濱田のところに駆け戻った。
「あの、篠宮君の保護者の方が迎えに来ているようですが・・・。」
「保護者?」
「彼が下宿している家の主人でペンションを経営している田村という方です。」
「ああ、〈スローターハウス〉のご主人か。・・・田村さんにこの子達を預けたら、明日夕方くらいにそちらに伺うと伝えておいてくれ。」
「はい、わかりました。」
神崎は二人と連れだって廊下に出ると、少し離れた先で彼らを待っている四十代半ばの男性に会釈した。
「今日はいろいろと大変だったね。かなり疲れたと思うけど、我々が長いこと探している殺人犯逮捕に繋がる重要な証拠が見つかったんだ。これからも協力をお願いするよ。それから・・・。」
彼は手帳から私製の名刺を取り出した。
「ここに僕の携帯番号が書いてあるから、警察に来てまで話すほどでないような小さなことでも何か思い出したら教えてくれるかい。」
二人は一枚ずつ名刺を受け取った。
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