「コメント」

こんにちは
このお話を読んでくださっている方がいらしてとても嬉しいです。感想なんかいただけると感謝感激!
今回やっとミステリっぽくなってきましたが、あまり暗くない楽しめるお話にしたいと思っています。(出来るかなー?)
問題は書くペースですよねぇ。ここまでは書きためてあったんだけど、この先遅れないようにしなくては。週二回、1800字のペースでがんばるぞ!(オー!!)

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「本文」


「その・・・おまえがヴィジョンて言ってるやつだけど、この場所で見たのか?」
「えっ、あ・・・うん。正確にはあの棚の下。ほら、何か黒い布がかぶってるものがあるだろ。それが何かなって思ってさ、布を取ろうとしたんだ。そしたら急に・・・。」
「OK、じゃあそいつを見てみようぜ。」
 頭に響いたあの声が鮮明によみがえる。遼は顔色を変えた。
「関係ないと思うよ。たまたまそのときに重なっただけで・・・。」
 違う。関係があるのだ。だからこそその正体に近づきたくないのが本当の気持ちだった。
「いや絶対なにかある。」
 優樹は逆に原因を突き止めることで遼を救いたかった。彼は棚の下の黒い布に覆われたものを引きずり出して上に載せた。
「思ったより軽いな。それに・・・。」
 中でかたかたと何かが動く音がする。彼はそっと布をはずした。
「あっ・・!」
 まぎれもない、遼の見た少女だ。真珠のように美しく磨き上げられた白い石膏像。ただ耳の下にあるどす黒い3センチほどの染みから放射線状に幾筋かの亀裂がはしっている。
「この学校で殺人事件があったなんて聞いたこと無いけど、何かの手がかりかもしれないぜ。石膏像に隠された死体・・・なんてな。」
「もういいよ。早く元に戻して帰らないと成田先生に教室を貸してもらえなくなるよ。」
「あ、そっか。悪い悪い・・・。」
 何か引っかかるものがあったが、遼の心配の方が今は優先事項である。彼が見たものに関しては後で調べてみてもいいだろう。
「おじさん、おまえの来るの毎週楽しみにしてるんだぜ。いっそ俺と一緒にあそこに下宿しちまえよ、寮なんか出てさ。」
「そんなわけにはいかないよ。でも田村さんのロールキャベツ、あれ好きだな。奥さんの焼いてくれるパンも。」
「おまえが好きだって言えば毎日作ってくれるんじゃないか?俺は肉じゃがとか納豆とかの方がいいけどな。」
 優樹は石膏像に元通り黒い布をかけた。そして・・・。
「おっと、手が滑った!」
 わざと床にそれを落とした。鈍い音がして石膏像が二つに割れる。遼の様子で予想はしていたとはいえ動揺を隠しきれない声で優樹はいった。
「俺に嘘付くなよ。おまえ、これを見たんだろ?」
 中から出てきたのはひからびた、髪の長い人間の頭部だった。



 



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